識者に聞く:消費税増税に伴うキャッシュレス・消費者還元事業を有効活用するには?

八巻:消費者還元事業のこともあり、地方でもキャッシュレス手段を使えるお店が広がっています。加えて、そもそもそうしたお店は地方でも基本的に大手加盟店(コンビニや大手スーパー、ファミレス、カー用品)が中心です。個人店の普及率については、都心でも地方でもそこまで大きく変わらない気がしています。

違いがあるとしたら交通系ICでしょうか。地方では電車に乗らない人が多いため、どうしても交通系ICの普及率は都心と比べると低い印象です。

―― これからの買い物はそもそもの値段が安いものを買うよりも、いかに消費税を払わないか、ポイント還元を受けるかに注力する人が増えるのかなと思います。これからの世の中のお金の使い方や買い物動向について、どのような未来を予想されていますでしょうか。 

八巻:今回の増税を機にキャッシュレス化が一気に進むことは考えにくいです。ポイント還元を受けることに注力している人は、既にある程度コード決済等を使い分けているので大きな変化はないでしょう。一方、コード決済等の使い分けをしていない人においては、ほんの少し節約意識を高めるくらいの変化でしょう。

日本全体を見ても、今まで年1%程度の成長だったキャッシュレス比率は、今年から来年にかけては2%程度の成長、その後は1%程度の成長が続いていくという巡航速度の変化しかないと考えます。

ただ、キャッシュレス決済手段に関係なく、ドローンや自動運転の進化により、買い物体験の未来の方が先に大きく変化する可能性を秘めていると思います。スーパーに行かなくても商品が30分以内に届く、コンビニに行かなくても家の前まで棚が来る、といった買い物体験が広まる結果として、キャッシュレス決済が進むシナリオはありうるのではないでしょうか。

秋山 悠紀

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秋山 悠紀

早稲田大学文化構想学部出身。女子高でサッカー部、フリーター、演劇活動、編集プロダクションなどを経て独立。
子育てへの不安から1年半の保育園勤務の後、第一子を出産。
現在、長男を育てながら女性の生き方、子育て、ジェンダー、社会、旅、ドラマ、映画について執筆中。