年金の振込先になっている主要な銀行の普通預金・通常貯金の金利が、11月に上がります。3メガバンクは2026年11月2日(月)から、ゆうちょ銀行は11月9日(月)から、年0.4%を年0.5%に引き上げ、すでに入っているお金にも手続きなしで新しい金利が付きます。
では、その口座に振り込まれている年金は、ほかの人と比べて多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
この記事では、厚生労働省の統計から、厚生年金と国民年金で受け取っている人が最も多い金額と年齢別の平均月額を確かめ、受取口座の金利が上がると利子がいくら増えるかを試算します。
1. 厚生年金で最も多い受給額は?「月10万円以上11万円未満」で、平均の15万289円より低い
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月末時点の厚生年金(国民年金の部分を含む)の平均月額は15万289円です。男性は16万9967円、女性は11万1413円で、男女の差は5万8554円あります。
- 【全体】15万289円
- 【男性】16万9967円
- 【女性】11万1413円
- 【最も人数が多い金額帯】月10万円以上11万円未満(111万2828人)
受給額を1万円刻みで並べると、人数が最も多いのは「10万円以上11万円未満」の111万2828人でした。平均の15万289円より4万〜5万円低いところに、いちばん多くの人がいることになります。
平均は受給額の大きい人に引っぱられて高めに出ます。自分の年金額が平均を下回っていても、最も多い金額帯と比べると位置の見え方が変わってきます。
1.1 国民年金で最も多い受給額は「月6万円以上7万円未満」
- 【全体】5万9310円
- 【男性】6万1595円
- 【女性】5万7582円
- 【最も人数が多い金額帯】月6万円以上7万円未満(1715万5059人)
国民年金だけを受け取っている人の平均月額は5万9310円で、男女の差は4013円です。最も多い「6万円以上7万円未満」は、この時点の満額(6万円台後半)に近い金額帯にあたります。
2. 年金の受取口座の金利は?3メガは11月2日・ゆうちょは11月9日から年0.5%、100万円なら利子は年5000円
3メガバンクとゆうちょ銀行を年金の受取口座にしている場合、各行の発表によると金利は次のとおり上がります。
- 【三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行】2026年11月2日から、普通預金を年0.40%→年0.50%
- 【ゆうちょ銀行】2026年11月9日から、通常貯金を年0.400%→年0.500%
普通預金も通常貯金も毎日の残高で利子を計算するので、引き上げの日からは、すでに入っているお金にも新しい金利が使われます。
年金の受取口座を作り直したり、窓口で手続きをしたりする必要はありません。
地方銀行や信用金庫、ネット銀行などを受取口座にしている場合は、金利や見直しの時期が金融機関ごとに違うため、取引先のホームページなどで確かめておきましょう。
年0.5%で1年間置いた場合の利子は、税引き前で100万円なら5000円、300万円なら1万5000円です。預金の利子には20.315%の税金がかかるので、手元に入るのは100万円で約3984円、300万円で約1万1953円になります。
年0.4%のときと比べて増えるのは、100万円で年1000円(税引き後約797円)です。1年で増える額は、国民年金の平均月額5万9310円のひと月分と比べても2%に満たず、利子だけを理由に受取口座を移すほどの差ではないでしょう。
年金の受取口座は、生活費として引き出すまでのお金が置かれることの多い口座です。当面使わないお金まで同じ口座に置いているなら、受取口座とは分けて、使う時期に合わせた置き場所を考えるきっかけにもなります。
※利子の試算は、年0.5%(または0.4%)が1年間続き、残高が変わらなかった場合。実際には年2回に分けて組み入れられ(3メガバンクは2月と8月)、残高が動けば金額も変わります。