レビュー:上海株をはじめ各国の株価が上昇する中、日本株の弱さが目立った1週間
先週(3月14日‐3月18日)は、上海株が急反発し、欧米をはじめ多くの株式市場が上昇しました。
最大の注目であった日米の金融政策はともに現状維持となりました。
特に重要なのは、米国の金融政策決定会合において、2016年の利上げの回数が従来の4回ではなく2回になる見通しが支配的になったことです。雇用者数は拡大してきましたが、それが喫緊の物価上昇リスクにはまだつながっていないというのがその背景です。資本市場ではこのシナリオはすでに織り込まれていたと思いますが、当事者認識がそれに沿っていることが確認できたことは大事な材料です。
市場の反応を見てみましょう。
ドルは対円、対ユーロでともに下落しました。長期金利は日米欧で低下し、原油は上昇しました。
株式市場では全人代を終えた中国で上海総合指数が週間で+5%上昇し、ロシア、シンガポール、ブラジル、メキシコ、インドネシア(利下げをしました)も上昇しています。また、S&P500も年初来プラス圏まで値を戻してきました。
こうした株式相場上昇が目立った中で、蚊帳の外におかれたのが日本株でした。4月から多くの企業が新年度に入りますが、ドル円相場が111円台まで円高で推移しており、自動車に代表される外需依存企業の収益へ大きなマイナス影響が心配されます。
注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示
注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示
アウトルック:適温相場の中、イベントに注目が集まる1週間に
今週(3月21日‐3月25日)は、落ち着いた投資環境のなかで、スマホや車などのテーマを追う週になりそうです。
日米欧の金融政策イベントが終わり、その方向性が見えました。資源価格も落ち着き、適温相場が続きそうです。次の決算シーズンは4月中旬以降になるため、これから1か月はマクロ指標を睨みつつ個別の材料を探す展開になりそうです。注目テーマとしては21日(現地時間)の米アップルのイベント、23日(現地時間)から開催されるニューヨーク国際オートショー、24日のLINEのカンファレンスがあげられます。
また、欧州の景気指標が多く発表されますので、こちらも注目です。日本の消費税増税回避論も市場にはプラスに働きそうです。
【2016年3月20日 投信1編集部】
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