株式市場の振り返り-3日ぶりの反落も、17,000円台を維持。新興市場は大幅高の続伸に。
2016年3月29日(火)の東京株式市場は3日ぶりの小幅反落となりました。日経平均株価は前日比▲0.1%の下落、TOPIXも▲0.3%の下落で引けています。一方、東証マザーズ総合指数は+2.2%の大幅上昇となる続伸でした。新興市場の好調さが目立っています。
日経平均株価は、前日比▲149円安で寄り付いた後は17,000円前後で推移しました。しかし、前場の終わり頃に一時前日比プラスに転じるなど、底堅さを見せました。後場は再び17,000円割れとなる場面も見られましたが、大引けに掛けてやや値を戻し、終値は前日比▲30円安の17,103円で引けています。17,000円割れの水準では買いが入っていたような印象でした。
東証1部で上昇したのは789銘柄、値下がり1,061銘柄、変わらず85銘柄でした。東証1部の出来高は17億5,085万株、売買代金は1兆8,382億円(概算)となっています。薄商いが続いており、売買代金は3日連続の2兆円割れでした。
セクター動向と主要銘柄の動き-11業種が上昇、22業種が下落。鉱業の不振が目立つ。
東証1部で上昇したのは11業種、下落したのは22業種でした。上昇率上位は、不動産+1.6%、小売+1.0%、その他金融+0.9%、ゴム+0.5%でした。一方、下落率が大きかったのは、鉱業▲1.7%、空運▲1.7%、医薬品▲1.3%、銀行▲1.3%などでした。売り買いまちまちでしたが、内需系セクターがやや買われた印象です。
個別銘柄では、決算発表が好感されたニトリホールディングス(9843)が大幅高となり、ファーストリティリング(9983)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)等の小売株も値を上げました。また、三井不動産(8801)を始めとする不動産株も軒並み高となっています。一方、武田薬品工業(4502)、アステラス製薬(4503)、セコム(9735)、トヨタ自動車(7203)など、日経平均株価への寄与度が大きい主力株に下落が目立ちました。三井住友フィナンシャルグループ(8316)やみずほフィナンシャルグループ(8411)も大幅下落でした。
本日のポイントと注目テーマと関連業種-平成28年度予算の成立で、業績動向への注目が高まる
2日間続いた株式相場ですが、29日は小幅下落となったため、“日本株は相変わらず弱いな”と気落ちしている人も少ないかもしれません。安心してください、まだまだ強いですよ。29日は配当権利落ち日でしたが、この分の下落が約▲130円程度と見られています。つまり、実質的には、29日の相場も+100円近い上昇だったと考えていいでしょう。実際、最近は配当や株主優待狙いの買いも優勢だったと思われますから、配当権利落ち日に▲30円安で終わったことは、決して悲観すべきことではありません。
また、細かく見ていくと、29日は株価に着実な動きが見られています。その象徴的なものが、小売株でした。28日に決算発表を行ったニトリホールディングス(9843)が、2017年2月期も増収・増益の会社計画を掲げたことが好感され、株価は大幅上昇しました。そして、他の小売株にも“連れ高”となった銘柄が目立ちました。たった1社の決算、しかも、特段大きなサプライズではなかった内容が、他の小売株に波及したことは、相場の潜在的エネルギーを確認できたという意味でも好材料です。
29日には平成28年度の政府予算が成立となり、今後は景気対策(補正予算含む)、及び、企業業績への注目度が増していくでしょう。29日の小売セクターは、その先陣を切ったわけです。ただ、今後は、期待を裏切るような決算が出て、株価下落に波及がかかる局面があるかもしれませんので、過度な楽観視は禁物です。
さて、こうした状況の中、30日(水)は引き続き企業業績への反応に注目です。2月期決算企業の本決算発表だけでなく、そろそろ、3月期決算企業が業績修正を行い始めます。既に、一部の商社は大幅下方修正を発表していますが、より一層注視しましょう。このような観点から、小売セクターや不動産セクターなどの内需関連に注目です。また、国内景気対策への期待感から、建設セクターにも関心が高まると考えられます。
【2016年3 月29日 投信1編集部】
■参考記事■
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LIMO編集部