財務省のデータによると、租税負担と社会保険料を合わせ、19年度の日本人の国民負担率は42.8%となる見通しです。

すなわち1,000円稼いでも手取りは約600円ということになります。

仮にこの600円で税金分の400円を投資によって埋め合わせようとすると、約66%の利益が必要になります(譲渡益にかかる税金等は除く)。

金利がゼロ%に近い現在の日本で、これだけの投資利益を出すのは容易ではありません。
この重みを知れば、「買うか買わないか」もしくは「背伸びをするべき買い物かどうか」で迷うことが少なくなるのではないでしょうか。

倹約家だと思われようが、「節約」とは投資より至極簡単にして確実なリターンを生むことが分かります。

前述のとおり、日本の累進課税下では欧米諸国に比べて急ピッチで税率が上がる仕組みですので、所得が高くなるほどこれを意識するべきなのです。

現金と節約の重要性

冒頭の「所得税の速算表」を見ると、所得を上げても手元に残る現金には大きな格差が生まれないということがわかります。

所得が上がっても収入が増えにくく、現金の価値に格差が生まれないとするならば、資産を構築する手段として、節約と投資が考えられるでしょう。

金融庁が発表した、老後は年金以外に2,000万円が必要である、というレポートも記憶に新しいです。

節約のポイントとしては、現金の重要性を理解することから始めましょう。少額の買い物でも気を抜かず、周囲に流されない自分自身の価値基準で物事を判断することが大切です。

また、収入と支出の全てを把握し、健全な家計を管理するという基本も疎かにしてはいけません。

収入が高くなるからこそ、現金の価値を理解し、節約を意識することが重要になります。

【参考】
『No.2260 所得税の税率』国税庁
『年収1000万円超狙い撃ち こんなに違う所得税』日本経済新聞
『平成31年度の国民負担率を公表します』財務省

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