他県出身の人や転勤族の人と結婚をすると、生まれ育った土地や慣れ親しんだ土地から離れなければいけない可能性があります。結婚が決まった当初は、夢に見た新婚生活がスタートするとあってウキウキする人がほとんど。
しかし、見知らぬ土地での生活というのは、思っているよりも大変なケースが多いのです。“住めば都”という言葉がありますが、何年経っても地元への未練が断ち切れない人もいます。
誰にも打ち明けられない“地元へ帰りたい”という悩みは、馴染みのない土地で結婚生活をスタートさせた人誰もが抱えているものなのでしょうか。
結婚当初はマリッジブルーの影響を受けている可能性も
人生の一大イベントでもある「結婚」。ラブラブな新婚生活を思い描いている人が多いこともあり、実際に地元を離れて結婚生活をスタートさせるまで、“地元にいること”の大切さに気づかない人がほとんどです。地元を離れるということは、家族や友人と離れるということだけではないということを、結婚前から気づいているのはごくわずか。見知らぬ土地へ嫁いだときから、地元への愛が強くなってしまうケースが多いのです。
新婚時期に“地元へ帰りたい熱”が加速してしまうのは、よくあること。特に今まで地元から離れて生活をしたことがなかったという人は、まわりに知り合いが一人もおらず、どこへ買い物にいけばいいのかわからないという状況に直面します。ただでさえ新生活への不安を抱えているうえに、新婚のマリッジブルーが重なってしまうケースも。マリッジブルーは、時期的な問題もあるので時間とともに気持ちが楽になっていくことがほとんどです。
しかし、地元へ帰りたいという悩みは、マリッジブルーとは別物。新婚期間を過ぎても地元への未練が断ち切れない場合は、その後もずっと“地元愛”が大きくなってしまう可能性があると考えておきましょう。
離婚や別居という答えを出すほど「地元帰りたい問題」は重要な悩み
転勤族の人と結婚する場合は、“いつか地元に帰れるかも!”という淡い期待を持ち続けることができます。特にパートナーと地元が同じだというケースは、子どもが小学校へ上がるタイミングなどでお互いの地元に家を建てるという例も結構多いものです。
問題なのは、転勤族ではない人と結婚して相手の地元へ嫁ぐケース。このケースは、ご主人が転職をしない限り自分の地元へ戻ることはできません。「自分で決めてこの土地へ来たけど、やっぱり地元で暮らしたい」と考える人は意外と多いもの。特に、子どもが生まれたあとなどは、同世代の子どもがいる友達や実家の家族がいるそばで暮らしたいと感じやすい傾向にあります。実際、地元へ帰りたいという気持ちが強くなって、離婚や別居という手段を選択したというケースも。
・「新卒で、九州から大阪へ就職で出てきていた主人と出会い結婚。大阪で勤めていた会社を辞め九州に戻ることになった主人について、結婚するタイミングで主人の地元へと嫁いできました。結婚生活が始まるまではウキウキしていたのに、実際に九州での生活がスタートしてからは心がどんよりすることばかり。まわりが大阪弁じゃなかったり、見られるテレビ番組が全く違ったりと、予想もしなかったポイントで嫌な気分になることが多く、自分でもどうすればいいのかわからなくなっていました。第一子を妊娠し、里帰りで出産。長期間里帰りしたこともあり、さらに地元に帰りたい熱が加速してしまい、結局別居することになってしまいました。いっそのこと、主人と出会わなければよかったとまで思っていた別居までの数年間。このまま離婚になるかどうかはまだわかりませんが、今は地元に戻れた喜びでいっぱいです」(32歳女性/看護師)
・「見知らぬ土地で結婚生活がスタート。まわりに友達がいなくても、主人と2人で過ごす時間は楽しかったのですが、未練がないかと言えばウソになります。田舎から都会へと嫁いできた私は、時が経つにつれ息苦しさを感じるように。最初は都会の空気にもいつかは慣れるだろうと考えていましたが、ストレスからだんだんと身体にも不調が現れるようになってしまいました。幸い理解のある主人だったので、今は彼の転職も視野に入れて私の地元に帰ろうかと検討中。“そんなのワガママだ!”と突き返されていたら、間違いなく離婚していたと思います」(29歳女性/主婦)
地元に帰りたい熱に対してうまく対処できるかできないかは、パートナーの理解があるかどうかによっても変わってきます。「地元に帰りたいなんてただのワガママだ…」と自分だけで抱えてしまうのではなく、勇気を出して告白してみるのもひとつの方法ではないでしょうか。