コツコツと貯蓄に励んでいるなかで、ふと「ほかの世帯はどのくらい貯蓄があるのだろう」と気になったことはありませんか?自分の貯蓄額は、周囲と比べ多いのか少ないのか…。それを知るには、貯蓄額の平均値や中央値が参考になります。そこで今回は、それぞれの数字をチェックしていきましょう!
勤労者世帯の貯蓄額を確認
まずは、2018年は5月18日に総務省が発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)」の「平成29年(2017年)平均結果(二人以上の世帯)」から、勤労者世帯(二人以上の世帯に占める割合50.9%)の貯蓄額を見ていきましょう。
2017年の勤労者世帯の貯蓄現在高の平均値は、1327万円という結果でした。ただし、これはあくまでも平均値の数字です。極端に大きい・小さい数字が存在すると、平均値が大きく左右されてしまう特性があります。
そこで、平均値だけでなく中央値もあわせてチェックしておきましょう。2017年の結果では、貯蓄保有世帯の中央値は792万円、貯蓄ゼロ世帯を含めた中央値(参考値)は743万円となりました。1327万円だった平均値に比べると、かなり低い値であることが分かります。
中央値とは何か
先ほど登場した「中央値」とは、一体どのような数字なのでしょうか。これは、データを大きい順(あるいは小さい順)に並べたときに、真ん中にある値のことです。今回のケースに当てはめると、それぞれの貯蓄額を順番に並べ、ちょうど真ん中にいた人の貯蓄額を指します。
例えば、それぞれの貯蓄額が1憶円、5000万円、1300万円、800万円、500万円の5人がいたとしましょう。この5人の貯蓄額を多い順番に並べていき、ちょうど中間の1300万円が中央値となります。
ところが、平均値を求めると(1憶円+3000万円+1300万円+800万円+500万円)÷5人=3120万円と、中央値とは異なる数字になります。しかし、実際にこの平均値を上回っている人は、1億円の貯蓄をもつ1人だけ。
このようなパターンを考慮すると、「中央値」は「平均値」より現状に近い数値を表してくれる値と言えることができます。