年末年始の寒さが厳しくなる季節には、高齢者を中心に入浴中の事故が多くなります。交通事故死の約3倍の人が、冬の入浴中の事故に巻き込まれているとされ、急激な寒暖差で起きるヒートショックなどに気をつけることが必要です。
そこで、今回は「冬の入浴中の事故」について、政府広報オンラインに記載されている情報より、詳しく説明します。
また、記事では「厚生年金・国民年金」全年齢での最新の平均月額も紹介しています。
※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
1. 高齢者の浴槽内での不慮の死亡者数は、交通事故の死亡者数の約3倍
毎年、11月から4月にかけて寒い季節になると、ヒートショックなどで入浴中に気を失い、浴槽で溺れる事故が多く報告されています。
特に高齢者は溺れて死亡するケースもあり、交通事故で亡くなる人より多くなっているそうです。
ここからは、入浴中の事故を防ぐ方法を、政府広報オンラインに記載されている情報を基に紹介します。
まず、65歳以上の死亡件数ですが、厚生労働省人口動態統計(令和5年)によると、高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数は6541人で、交通事故での死亡者数2116人の約3倍となります。
そんな冬場の入浴時に起きる事故ですが、急激な温度差で血圧が変化することが大きな理由です。
暖かい部屋から寒いバスルームに移動し洋服を脱ぐと、血管が縮まり血圧が上昇します。
そのまま浴槽に入り体が温まることで血管が広がると、今度は急上昇した血圧が下がることに。急激な血圧の変化が起き、一時的に脳内に血液が回らない貧血状態になり一過性の意識障害を起こしやすくなります。
特に65歳以上の高齢者は、血圧を正常に保つ機能が衰えていることで、事故を起こす可能性が大。血圧が不安定な人や、バスルームでめまいや立ちくらみを起こしたことがある人は要注意です。
では、どんなことに注意すれば安全に入浴できるのか、事故を防ぐための対策を紹介していきます。
2. 冬の入浴で死なないための注意点を解説
入浴中の事故は、高齢者だけでなく若い世代でも起こす可能性があります。自分にも起きるかもしれないと心がけ、政府広報で発表している、以下の注意点を心がけましょう。
- 入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
- 湯温は41度以下、お湯につかる時間は10分までを目安にする
- 浴槽から急に立ち上がらない
- 食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
- お風呂に入る前に、同居する家族にひと声かける
- 家族は入浴中の高齢者の動向に注意する
まず、急激な血圧の変動を防ぐため、暖房器具などで脱衣所や浴室内を暖めることが重要です。
暖房設備がない場合は「湯を浴槽に入れるときにシャワーから給湯する」「浴槽の湯が沸いたところで、十分にかき混ぜて蒸気を立てふたを外しておく」などの工夫で、浴室を暖めることができます。
熱いお湯や長湯が好きな人は、特に注意が必要です。42度のお湯に10分間入浴すると、体温は38度近くとなり「高体温」などで意識障害を起こす危険が高まります。そういった事故を起こさないために、お湯の温度は41度以下がベスト。
お湯につかる時間も10分を目安にするなど、あまり長時間の入浴は避けるべきです。また、かけ湯をしてからお湯に入ることで、心臓に負担がかからず血圧の急激な変動を防げます。
浴槽から急に立ち上がらないことも、事故を防ぐポイントです。入浴中は水圧が体にかかり、その状態から急に立ち上がると圧迫されていた血管が一気に拡張します。
これにより、脳に行く血液が減り貧血のような状態になり、意識を失う可能性があります。浴槽から出るときは、ゆっくり立ち上がるのがベストです。

