文部科学省(文科省)の「平成30年度(2018年度)学校基本調査」によると、大学・短大進学率が58%と過去最高を記録しました。今後も進学率は上昇傾向にあることを考えると、親としては子どもの教育費をいくら用意するべきなのか気になるところです。かわいい子どもの教育費ですが、身の丈に合わない教育投資をしてしまっては家計を圧迫し、大学進学のための資金を貯めることができなくなります。

今回はどのタイミングで公立・私立を選ぶべきなのか、教育投資への支出など、かかる教育費を比較しながら考えてみましょう。

習い事や学習塾代はあなどれない?

まずは幼稚園から大学までの教育費が、公立と私立でどれくらい異なるのか比較してみましょう。文科省の「平成28年度(16年度)子供の学費調査 調査結果の概要」によると、幼稚園から高校にかかる公立・私立の教育費は次のような数字になります。

※「学習費総額」は「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の合計。「学校教育費」の内訳は授業料や修学旅行・遠足費、児童会・生徒会費、PTA会費、納付金、教科書・学用品費、通学費、制服、通学用品費など。「学校給食費」は完全給食や補食給食、ミルク給食等給食の実施形態に関わらず、給食費として徴収した経費。「学校外活動費」は家庭内学習費や家庭教師費用等、学習塾費等、体験活動・地域活動、芸術文化活動、スポーツ・レクレーション活動、教養・その他。

幼稚園の学習費総額(年額)

公立:23万3,947円(うち学校外活動費9万2,983円)
私立:48万2,392円(うち学校外活動費13万3,705円)

小学校の学習費総額

公立:32万2,310円(うち学校外活動費21万7,826円)
私立:152万8,237円(うち学校外活動費61万3,022円)

中学校の学習費総額

公立:47万8,554円(うち学校外活動費30万1,184円)
私立:132万6,933円(うち学校外活動費32万9320円)

高校の学習費総額

公立:45万862円(うち学習外活動費17万4,871円)
私立:104万168円(うち学校外活動費28万5,067円)
※高校は全日制の場合

大学の学習費総額

国立:53万5,800円(+入学金28万2,000円)
私立:108万1,388円(+入学金25万2,030円)
※国立大学は平成16年度(04年度)以降の国の標準額、私立大学は文科省の「私立大学等の平成29年度(17年度)入学者に係る学生納付金等調査結果について」から記載。

公立と私立を比較してみると、幼稚園では私立が公立の2.1倍、小学校では4.7倍、中学校では2.8倍、高校では2.3倍、大学では2倍という開きがあります。

ここで着目すべき点は、学習塾費などを含む学校外活動費が学習費総額に占める割合です。私立小学校の学校外活動費は学習費総額の40%、私立中学校は20%となっています。しかし公立小学校と中学校は、60%をも占めています。公立では学校教育費や給食費が安く抑えられ一番の貯めどきといわれる時期ですが、学校外活動に多く投資しており学習費総額を押し上げているのが現状のようです。

年収によって変わる公立・私立選択のタイミング