まわりの本音はどうなの? 「育児休暇」を取る男性

ビジネス、今日のひとネタ

多くの方がすでにご存じのように、「イクメン」とは「積極的に育児に参加する男性」のことです。実際に子育て中の男性のなかにも、この言葉を嫌う人はいますが、育児へ参加すること自体は、少なくとも悪いことではないでしょう。

女性の社会進出などを背景に、こういった行動は奨励されること大半です……が、こと「男性の育児休暇の取得」については、あまりよく思わない人たちもいるようなのです。

一部上司の本音「休まれたら困る……」

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当たり前ですが、育児休暇を取る際には、上司あるいは会社への報告・申請が必要です。もちろん、快く取得を許可してくれる上司もいるでしょうが、中には男性の育児休暇取得に理解を示さない人もいるようです。たとえば、次のような声が多くあります。

「職場を離れるなら、出世が困難になっても仕方ない」
「奥さんがいるなら取得する必要がないだろう」
「他の社員のことを考えろ」

これらの背景には、やはり「育児は女性がするもの」「会社にとってのマイナス」といった考えがいまだに頭にあるようです。このような、男性が育児などを通じて父性を発揮する権利を侵害する言動は「パタハラ(パタニティー・ハラスメント)」とも呼ばれ、育児休暇取得者が増えづらい大きな原因となっています。

子どもがいる上司なら、こうしたことに理解がありそうかというと、そうとも言い切れません。特に上司が高めの年齢層の場合は、まさに「育児は女性が」という価値観が全盛だったり、男性上司の場合はパートナーが専業主婦として子育ての大半を一手に引き受けていたりしたために、実際のところ育児にそれほど追われた(そこまで育児分担を求められた)経験がない人も多くいます。その場合、「子育てなんて、言うほど大変じゃないだろ」という感覚が心の奥にあって、味方どころか大きな「壁」になるときもあるのです。

夫の育児休暇取得に妻も反対!?

男性の育児休暇の恩恵を一番受ける人は、その男性の妻だと考える人も多いでしょうが、一部の女性は意外にも男性の育児休暇取得に反対のようなのです。

「贅沢な悩みだけど、一日中家に夫がいるとイライラする」
「家事・育児の勝手が分かっていないから、逆に迷惑なことがある」
「仕事をして稼いでくれることが一番嬉しい」

などが、そうした女性の意見です。そもそも女性のほうでも、「男性が育休を取ること」自体に慣れていないということもあるかもしれませんが、せっかく取った育休なのに、こう言われてしまうとつらいかもしれませんね……。

もちろん賛成意見も多数

ここまで反対意見を見てもらいましたが、もちろん男性の育児休暇取得への賛成意見も多くあります。たとえば、

「私がバリバリ働きたい人なので、夫の育児休暇取得は非常にありがたい」
「女性だけが育児をするのはおかしい。夫婦の子どもだから、むしろ二人で育てるのが当然」

といった意見が見られます。「独立行政法人労働政策研究・研修機構」の調査によると、2017年時点での共働きの世帯数は1000万世帯を超えており、こうした考えを持つことは自然な流れとも言えます。

取得を義務づける企業も

企業側でも、こうした流れに沿った試みを実施していることがあります。たとえば、積水ハウスやリクルートコミュニケーションズでは、男性の育児休暇取得を「義務化」しました。これには、

「空気を読む日本人には、義務化するぐらいがちょうどいい」
「義務化のおかげで、育児休暇取得への罪悪感がなくなる。他社にも広まってほしい」

と、賛成意見が数多く上がっています。

当たり前ですが、育児休暇の取得は、男女を問わず、法律で認められているものです。「取る・取らない」はそれぞれの家の事情や考えもありますし、当人たちが納得した上で「取らない」ことを選ぶというのも、同様に尊重されるべきです。ともあれ、夫・妻・企業など、それぞれが努力しつつ、理解を深めていくことで、男性の育児休暇取得も「より自然な選択肢」のひとつになっていくといいですね。

クロスメディア・パブリッシング

参考記事

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執筆者
クロスメディア・パブリッシング

2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。