2人がまず見直したのは、やはり固定費。よく言われることですが、固定費の削減が節約への一番の近道です。特に最近、若い層の家計を圧迫しているのが通信費。今やスマートフォンやタブレットなどは、普段の生活になくてはならない存在ですが、その費用って意外とかさむんですよね。

夫は仕事でのみ、妻も専業主婦として家にいるのでスマートフォンを利用する機会は多くなく、スマートフォンに求める機能はネットがつながることとLINE、メール、電話ができること。となれば、大手キャリアでなくてもいいという結論に至り、2人そろって格安スマホに変更。

インターネットにつないだときの動きは多少遅く感じるものの、使い勝手としては悪くなく、慣れてきたらストレスにもならないということで、結果的には2人合わせて月額が1万円以上減ったといいます。

また、奥さんは週1回通っていたヨガスタジオをやめ、無料アプリを使用して自宅でヨガをやっています。これで5000円の削減。さらに、旦那さんも飲み会の回数を「毎月3回まで」と決めました。その副次効果として終電をなくしてタクシーで帰宅という無駄な交通費も削減。合計して月2万円以上のコスト削減につながりました。

リスクに備える転職

もう一つは、節約とは少し異なります。30代は多くの会社で「中堅どころ」とされていますよね。仕事の内容もわかってきて、やる気もあり、まだ若くて体力もある。後輩への指導もでき、上司とのコミュニケーションも円滑に取れる。そんな、会社の中で最も重宝される30代だからこそ、今後に備える転職を、と思ったといいます。

今は、中堅どころ、特に30代前半の労働者を多くの企業が求めており、転職が成功すれば待遇もぐっと上がると踏んだ旦那さん。人手不足が深刻化しているタイミングで転職することで、待遇が上がるケースは非常に多いですよね。結果的に時期を見た転職活動が功を奏し、同業種でさらに業界順位上位の会社へ転職しました。

年収自体が大きく上がるというわけではなく、月1~1.5万円アップくらいだったとはいえ、帰宅時間が平均2時間早くなり、サービス残業もなくなりました。

さらに、奥さんも妊娠のことを考え仕事をやめていましたが、2~3カ月単位の派遣の仕事を探して働くようになりました。2~3カ月であれば、もし妊娠しても周囲に迷惑をかけることなくやめることができると考えたからです。女性の場合、非正規であっても子どもがいないうちはとにかく働いておくことを考えてみてください。

できれば、正規雇用のまま産休・育休に入って正規雇用として職場復帰できるのが望ましいですが、そうでなくても「貯め時」に働いておくことが大事ですね。

まとめ

いかがでしたか。この夫婦の場合、今までお金が貯まらないことを見て見ぬふりをしてきた分、改善の余地が多くありました。2人の考え方が一致していたのも、スムーズに貯金や節約に取り組めたポイントだと思います。もし思うように貯金ができていないというのであれば、まずはパートナーと話し合いをしてみてはいかがでしょうか。

大塚 ちえ