2023年1月17日、総務省は2020年に実施した国勢調査をもとに、日本の人口重心に関する結果を発表しました。

「人口重心」とは人口一人ひとりを同じ重さであると仮定し、特定のエリア内でバランスが取れる地点のこと。人の移動や人口の増減などが反映されており、他の調査年の結果と比較することで地域構造の変化を示せるのが特徴です。

国勢調査は5年ごとに実施されており、1965年の結果と比較すると人口重心は少しずつ首都圏へ移動しています。しかし、なかには独自の方向性にすすむ自治体もチラホラ。

本記事では人口重心をさらに詳しく確認し、近畿圏の人口重心はどこにあるのかを紹介します。記事後半では首都圏についてまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

1. 近畿圏:人口重心は「大阪府」の方向へ向かって移動

国勢調査における「近畿圏」とは、大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県の6府県のこと。近畿圏では、全体的に大阪府に向かって人口重心が移動しているとわかりました。

大阪府を除く各府県の人口重心から大阪府の人口重心への方向・距離、各府県の2020年の人口重心の位置は以下の表の通りです。

【写真全2枚中1枚目】近畿圏:人口重心の位置・方向・距離。2枚目では首都圏版も紹介。

出所:総務省統計局「首都圏及び近畿圏の各府県の人口重心は、おおむね東京都、大阪府の方向へ移動」を参考に筆者作成

各府県の人口重心から大阪府の人口重心までの距離を比べてみると、2015年から2020年の間で大阪府に向かって近づいているのが分かります。

大阪府は会社・商業施設・学校などが集まる近畿圏の中心地であることが、近畿圏の人口重心が大阪府へ向かって移動した理由のひとつと言えるでしょう。

それでは、首都圏の人口重心はどのように移動しているのでしょうか。次の章から詳しく見ていきましょう。