3. 【LIONのエコプロジェクト】衣類のロングライフ化に洗濯で貢献

「すすぎ1回」と並んで今回のプロジェクトでピックアップされているのが「衣類のロングライフ化」です。これは製造から廃棄に至るまで環境負荷が大きいと言われているアパレル業界において、世界的なトレンドにもなっており、環境省が推奨する環境負荷を考慮したサステナブルファッションにもつながる取組みです。

これに貢献するために、現在ライオンが販売に注力しているのが、高濃度コンプリートジェル「NANOX one(ナノックス ワン)」です。ライオンの調査によると衣類の廃棄理由は「色変化」によるものが多いとのことですが、同商品は洗浄・消臭力と色変化防止力を両立させることで、従来は実現できなかった「しっかり洗えて色も落ちない」を可能にしました。

ライオンが販売に注力している「NANOX one(ナノックス ワン)」

資料のスライド写真

筆者撮影

NANOX oneは「すすぎが1回でOK」というのもポイントです。環境貢献は先述した通りですが、衣類はすすぎから脱水を繰り返す過程でダメージを受けるため、衣類のロングライフ化にもつながります。同社は「すすぎ0回でOK」のおしゃれ着用洗剤「アクロンスマートケア」などの商品も展開するなど、衣類を洗浄するだけでなく、いかに長持ちさせるかという視点も重視しています。

NANOX oneはすすぎ1回でもしっかりと汚れを落とすことができる

掲げられているTシャツの写真

筆者撮影

4. 【LIONのエコプロジェクト】異業種企業のさまざまな取り組み

今回の発表会ではプロジェクトに賛同する異業種企業として、株式会社ツインバード、株式会社FABRIC TOKYO、株式会社LIFULLを交えたパネルディスカッションも開催されました。

家電メーカーとして参加した株式会社ツインバードの井上淳也・執行役員は、すすぎ1回モードを搭載する洗濯機や庫内を開けることなく中身を確認できる冷蔵庫など、エコを意識した製品について紹介。「事業全体で環境負荷を意識している」と説明し、「Choose one Project」にも賛同の意を示しました。

株式会社ツインバード 井上淳也 執行役員

スピーチをする男性の写真

筆者撮影

株式会社FABRIC TOKYOのブランドデザインチーム 土山純史・Head of Strategyは、同社が進めている梱包の簡易化について紹介。「シャツ1枚であれば袋に入れて郵送するなど、積極的にサスティナブルな取組みを行っているが、ユーザーからは『もっと簡略化できないのか』という声もある」と生活者のエコ意識の高まりに言及しました。

株式会社FABRIC TOKYO ブランドデザインチーム 土山純史 Head of Strategy

スピーチをする男性の写真

筆者撮影

株式会社LIFULLは環境とは別のベクトルでサスティナビリティに向き合っています。ブランドコミュニケーション部 PRグループの遠山佳子・グループ長は不動産業界で問題になっている「住宅弱者問題」や「おとり物件問題」への取組みについて紹介。「業界の慣習で仕方ないと思われていることにもAIなどの技術を駆使すれば解決することはできる」とコメントしました。

株式会社LIFULL ブランドコミュニケーション部 PRグループ 遠山佳子 グループ長

スピーチをする女性の写真

筆者撮影

今回のプロジェクトに期間は設けられておらず、継続的にさまざまなメッセージを打ち出していくとのことです。金子ブランドマネージャーは「習慣化が重要なので時間をかけて啓発していきたい。異業種の企業と連携も含めて、取り組みを広げていきたい」と語っています。節水・節電はエコだけでなく節約にもつながる取り組みなので、生活者にとって有益な情報が多く出てくることに期待したいところです。

参考資料

大蔵 大輔