魔法びんで有名なサーモス株式会社は2024年にブランド誕生から120周年を迎えました。ドイツで生まれ、日本で大きな成長を遂げた同社は節目となる年に、ログ・パーパス・タグラインを刷新し、新領域にも進出します。2024年4月18日には発表会を開催し、これまでの歩みや新戦略を説明しました。

サーモスの新しいコーポレートロゴ

サーモスの新しいコーポレートロゴ

提供:サーモス株式会社広報グループ

 

1. 【サーモスが120周年】ドイツで生まれ、日本で飛躍したサーモス

サーモスは1904年にドイツのガラス職人であるラインホルト・ブルガー氏が立ち上げた「THERMOS G.m.b.H(テルモス有限会社)」で誕生したブランドです。同社のガラス製魔法びんは数年のうちに世界に広がり、日本には1907年に初めて輸入されました。

会社の設立初期に販売されていたガラス製の魔法びん

ガラス製の魔法びん

筆者撮影

日本が大きく関わってくるのは1978年からです。国内でサーモス事業を担っていた日本酸素株式会社が世界初の高真空ステンレス製魔法びんを開発。ガラス製の「割れやすい」という弱点を克服し、大きく進化させました。

1989年には同社が各国のサーモス事業を買収し、日本を拠点にさらなる成長を遂げていくことになります。直接口をつけて飲むことができる「スポーツボトル」や持ち運びに便利な「ケータイマグ」などの商品を生みだし、今でも人気の定番製品に育て上げました。

魔法びんのイメージが強いですが、他のカテゴリーでも存在感を発揮しています。真空断熱保温調理鍋「シャトルシェフ」や長い耐久性を実現したフライパン「KITCHEN+」シリーズなどは、現在では主力製品の一角を占めています。

魔法びん以外のカテゴリーにも進出し、定番商品を生み出している

フライパンが並んだ写真

筆者撮影

2. 【サーモスが120周年】アパレル領域で販売する製品は?

120周年を迎えたサーモスは次の挑戦に向かって、ロゴやブランドパーパス、タグラインを刷新します。ロゴは企業名の下に温度計をイメージしたデザインを追加。長年培ってきた真空断熱技術が根幹にある同社のこだわりを表現しています。

ブランドパーパスは「確かな品質と豊かなアイデアでライフスタイルを創造する」、ブランドタグラインは「次の心地よいをつくる。」に設定。片岡有二代表取締役社長は「保温や保冷だけでなく、製品の使い勝手のよさやお手入れのしやすさを提供することで、すべての人が『心地よい』と感じる瞬間を目指してきた。今後は保温・保冷はもちろんよりユーザーの生活に寄り添っていきたい」と決意を語りました。

片岡有二代表取締役社長

壇上で話している男性の写真

筆者撮影

 

注目されるのが、新領域への進出です。新たな挑戦として、打って出るのは「アパレル業界」。「&ONDO」というブランドを作り、変化する温度をセルフケアするプロダクトを揃えていくとのことです。詳細な発表は2024年8月とまだ先ですが、ヒートソックスのような熱を制御できるサーモスらしい商品が登場するようです。

初のアパレルブランド「&ONDO」を展開予定

資料のスライド写真

筆者撮影

3. 【サーモスが120周年】森川葵さんとマギー審司さんが120周年をお祝い

発表会にはゲストとして、女優の森川葵さんとマジシャンのマギー審司さんも登場。昔からサーモスの水筒を愛用しているという森川さんは、今もドラマの現場で重宝しているとのことで、「現場は暑かったり寒かったりすることが多いので助けられています」とコメントしました。

マギー審司さんはサーモスの120周年を祝して、同ブランドにちなんだマジックを披露。種も仕掛けもない(?)紙袋からサーモスのマグカップを取り出すと、中の水がキンキンに冷えている…などの突っ込みどころ満載のネタで会場を笑わせました。

サーモスにちなんだマジックを披露するマギー審司さんと拍手を送る森川葵さん

ステージ上でマジックを披露するマギー審司さんの写真

筆者撮影

4月18日には「サーモス120周年スペシャルサイト」も公開されています。同サイトでは120年の歴史の振り返り、新たなライフスタイルを生み出してきたサーモス製品の紹介、6人の著名人がサーモスとの関係性を語るインタビュー記事などを用意しています。サーモスファンはぜひチェックしてみてください。

参考資料

大蔵 大輔