人生において住宅購入は、1.2を争う高額な買い物となります。にも関わらず、少なからず「不満」を抱える人がいるのも事実です。

例えば国土交通省が公表する「住生活総合調査」によると、住宅に対して不満を感じている方の割合の合計は23.1%にのぼります。

【写真1枚目/全3枚】住宅に対する不満率はいくら?2枚目からの写真で「実際の後悔ポイント」をさぐる

住宅に対する不満率はいくら

出所:国土交通省「平成30年住生活総合調査結果」

また、SUVACO(スバコ)株式会社が行なった「住まいに関するアンケート」によると、注文住宅を購入した方の満足度は71%だったそうです。

この結果は、ある程度自由に家づくりができる注文住宅にあっては決して高いものではないといえるでしょう。

住まいの不満点には間取りや設備の使い勝手の悪さ、収納の少なさ、日当たり・断熱性の悪さなどさまざまなものがあると思いますが、建物に使用する建材選びで後悔している方も少なくありません。

建材は住まいの完成度や住み心地、建築費などに大きな影響を及ぼし、とくに床材は壁や天井と同じように広い面積を占めながらも足で直接触れる場所なので、床材選びで失敗すると非常に後悔してしまうことになります。

そこで本記事では、注文住宅の「床材選び」で後悔している方の実際の体験談を紹介したいと思います。

1. 注文住宅の床材選びで後悔することもある

床材とは床に施工する仕上げ材のことで、フローリングやタイル、クッションフロア、コルク、畳、石などさまざまな種類があります。

床材の種類によって耐久性や耐水性、遮音性、断熱性、防汚性などの機能が異なるので、単に色柄やデザインだけではなく、部屋の用途に適した機能をもつ床材を選ぶことが重要になります。

派手な住宅設備などとは違い、こだわりポイントとして挙げられることは少ないかもしれませんが、ここでも後悔ポイントを抱える方は多いもの。

次章からは、実際に床材選びで後悔した事例について紹介します。

2. 注文住宅の床材選びでの後悔1:床のグレードを下げすぎてしまった

あ、床に傷が!グレードを下げすぎて後悔。

床に傷がついている写真

Yusuke Ide/istockphoto.com

「床のグレードを下げすぎてしまったため、1年もたたずに床に傷が付いたり、部分的にめくれてしまったりしている」(佐賀県 30歳代)

近年では居室の床材としてフローリングを選択することがほとんどですが、一般的なフローリングはキャスター付きの椅子や家具を使うと傷付きやすく、1点に集中的に力が加わるとへこみ傷がついてしまいます。

傷や汚れに強い床材を求めるのであれば、表層に樹脂のシートを圧着したシートフローリングなどがありますが、価格は一般的なフローリングと比較すると高額になります。

3. 注文住宅の床材選びでの後悔2:床の色を暗い色にした

「床の色を暗い色にしたために部屋が暗い印象になってしまって、昼間でも照明が欠かせなくなった」(福岡県 20歳代)

近年は床材の種類や色柄も豊富になって選択肢が多いので、床材選びで迷ってしまう方が多いと思います。

床材の色の代表的なものには、ホワイト系やナチュラル系、ダーク系などがあります。

明るい色は広く見えて、暗い色は相対的に狭く感じてしまいがちですが、重厚感があるので落ち着いた雰囲気に仕上がります。

ただし家具も濃い色にしてしまうと暗くなりすぎてしまうので、日当たりのあまり良くない部屋の場合には注意が必要になります。

また床材の色を基調にドアや天井、壁の色を決めることが多いので、日当たりなども考慮して色決めを行うことが大切です。