令和6年6月より所得税、住民税の定額減税が実施されます。減税が行われると、対象者の手取り額は増えますが、あらためて天引きされているお金の大きさに驚く方も多いでしょう。

天引きされるお金が増えれば増えるほど手取り額は少なくなるため、どの世代にとっても注目しておくべき点となります。

天引きされているお金は現職時代だけでは無く、年金世帯でも継続されます。所得税や住民税だけではなく、健康保険料も大きなウエイトを占めています。

そこで今回は、2024年からは値上げが行われる「後期高齢者医療制度」について、仕組みや軽減についても確認していきます。後半では2024年度の値上げにより影響が出る人についても紹介します。

1. 後期高齢者医療制度とは

後期高齢者医療制度は、通常は75歳以上の全ての人が加入する公的な健康保険です。

後期高齢者医療制度は、各都道府県に設置された後期高齢者医療広域連合が運営しており、市町村が申請手続きや保険料の徴収などの業務を担当しています。保険料率は地域によって異なります。

なお、65歳以上で一定の障害がある場合は、自身の選択で健康保険か後期高齢者医療制度かを選ぶことができます。

2. 後期高齢者医療制度の保険料のしくみ

後期高齢者医療制度の保険料は、均等に負担する「均等割額」と、被保険者の前年の所得に応じて負担する「所得割額」で決まります。

均等割額や料率は都道府県によって異なるため、ここでは例として東京都の場合を見てみましょう。

2022年度と2023年度は同じで、均等割額が「4万6400円」。所得割額は「賦課のもととなる所得金額×9.49%」です。

例えば公的年金等収入が208万円、給与収入が120万円ある男性の場合、保険料は年額で15万700円です。

加えて所得税や住民税も天引きされるため、老後も保険料の負担は大きくなっています。

また、2024年度は保険料が上がることが決定していますが、値上げする理由は一体なんなのでしょうか。

次章からは「後期高齢者医療制度の保険料が値上げする理由」について解説します。保険料の軽減措置を受けられるケースについても解説するので、参考にしてみてください。