2. 【形態別】「正社員と非正規雇用」給与差の大きさをチェック!

国税庁が2023年9月27日に発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、全体の平均給与はほぼ横ばいで推移しています。

一方、正社員の平均給与は2018年から順調に上昇していることがわかります。

2.1 「正社員」の平均給与は2018年から上昇中

  • 2018年:506万7000円
  • 2019年:508万2000円
  • 2020年:501万9000円
  • 2021年:515万7000円
  • 2022年:523万3000円

2022年の平均給与を正社員だけで見た場合、結果は523万3000円となりました。

冒頭で触れた、全体の平均年収である457万6000円と比較すると、約70万円もの差があるとわかります。

2.2 「正社員のみ」と「非正規社員を含む」平均給与を比較

正社員の平均給与は、男性は583万8000円で女性は406万9000円でした。平均給与について、正社員のみの数値と非正規雇用者を含む数値とを男女で比較してみましょう。

男性で、非正規社員を含む平均給与は563万3000円。正社員のみの場合と比較して、収入差は約20万円です。

一方、女性は非正規社員を含めた場合の平均給与が313万7000円で、収入差は約90万円でした。女性の方が、雇用形態の違いによる収入差が大きくあらわれているようです。

3. 【役職別】2022年の中間管理職の給与実態

つづいて、役職別に中間管理職の給与実態を確認していきましょう。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、中間管理職の平均給与は部長級で「58万6200円」、課長級で「48万6900円」、係長級で「36万9000円」という結果でした。

資料によると、部長級・課長級の平均年齢は50歳前後。中間管理職に昇進したことで生活水準が豊かになっているのか、気になるところです。

総務省統計局「家計調査(家計収支編)」によると、45歳から54歳までの消費支出額は約33万円から約36万円。

この額面上の金額から諸々税金等が天引きされることを考えると、現代においては昇進しても収入と支出が同じ程度になる可能性もあるでしょう。

収入を貯蓄に回すためには、節約や収支バランスの調整が必要になるといえます。キャリアアップしたから余裕ができる、と言い切ることは難しそうです。

4. 昇進による年収アップとワークライフバランスとを調整しよう

本記事では、正社員と非正規雇用者との給与差や、課長級や部長級の「中間管理職」の平均給与についてみていきました。

統計での数値上では、中間管理職に昇進しても大幅な年収アップは見込めないのが現状でした。とはいえ、正社員と非正規雇用者との給与差も大きく、思い切った転職や行動の前には事前準備が不可欠でしょう。

とくに将来のキャリアについて悩んでいる人や転職を考えている人は、キャリアチェンジの前にはきちんと自分の貯蓄や収支状況を把握しておく必要がありそうです。

参考資料

荒井 麻友子