4. 夫婦の年金が「約46万円」でも喜べない理由3:年金から税金と保険料が天引きされる

年金も所得の必要なので、税金(所得税と住民税)が課税されます。これらは基本的に年金から天引きされた状態で振り込まれるため、実際に手元に残るお金はもっと少なくなります。

ただし、老齢基礎年金だけであれば非課税になるでしょう。

一方、介護保険料や健康保険料はどれだけ少なくても支払わなければなりません。年金年額18万円以上などの条件はありますが、基本的にこれらも年金から天引きされることを知っておきましょう。

5. 夫婦の年金が「約46万円」でも喜べない理由4:個人差がある

厚生労働省が示す年金額の例は、あくまでも標準的なケースです。

40年間の平均標準報酬(賞与含む月額換算)が43万9000円より少なければ年金額も減りますし、多ければ年金額も上がります。

夫婦共働きであれば、合計額があがる可能性もあるでしょう。

また年金額は毎年改定されるため、将来にわたって同じ水準であるわけでもありません。今の現役世代が老後を迎える頃、基準となる年金額が減っている可能性は十分あるのです。

6. 国民年金と厚生年金の支給額は平均でいくら?

2024年度の年金額が公表されたものの、これはあくまでも「国民年金の満額」と「標準的な夫婦の厚生年金額」です。

誰もが同じ水準の年金を受け取れるわけではありません。

参考までに、2023年12月に更新された最新データから、今のシニアが受給する年金額を見ていきましょう。

6.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額平均

国民年金の受給額平均

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

〈全体〉平均年金月額:5万6316円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4426円

平均は男女ともに5万円台ですが、ボリュームゾーンは6万円~7万円未満です。個人差はそこまで大きくありません。

6.2 厚生年金(老齢厚生年金)の受給額平均

厚生年金の受給額平均

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金の金額を含む

7. 老後資金は早めの準備を

冒頭にもお伝えしましたが、年金は受給中にも変動していきます。

予想よりも多いケースであれば問題ないのですが、予想していた年金より少ない場合も出てきます。具体的な年金額に関しては、「ねんきん定期便」をご確認ください。

現在は準備の方法も多種多様になってきています。将来どんな生活がしたいのか、それに対してどのくらいのお金が必要なのか、そして準備する方法を考えていく流れが重要です。

老後資産の準備の方法がわからない方は専門家に聞くのも良いでしょう。皆さんの大事な老後生活です。早めの準備を心掛けましょう。

参考資料

渡邉 珠紀