3. 規模別にみる企業年金の支給実態

一般的に、企業規模数が多い企業は大企業とされているので、福利厚生を充実させている可能性が高いです。そのため、企業年金の種類や導入割合も高いと考えられます。

そこで、企業年金を導入している企業の割合を、従業員数の規模別にそれぞれ確認します。

  • 企業規模1000人以上
  • 企業規模500人以上1000人未満
  • 企業規模100人以上500人未満
  • 企業規模50人以上100人未満

どのような結果になったか確認しましょう。

3.1 企業規模1000人以上

従業員数が1000人を超えた企業では、企業年金の導入実態は以下の通りになっています。

企業年金を導入していない割合は15.9%で、従業員数が1000人を超える企業でも、およそ6社に1社が導入していないことになります。

3.2 企業規模500人以上1000人未満

従業員数が500人以上1000人未満の企業では、企業年金の導入実態は以下の通りになっています。

企業年金を導入していない割合は27.2%で、およそ4社に1社が導入していないことになります。

3.3 企業規模100人以上500人未満

従業員数が100人以上500人未満の企業では、企業年金の導入実態は以下の通りになっています。

企業年金を導入していない割合は51.7%で、およそ2社に1社が導入していないことになります。

3.4 企業規模50人以上100人未満

従業員数が50人以上100人未満の企業では、企業年金の導入実態は以下の通りになっています。

企業年金を導入していない割合は72.1%で、およそ10社に7社が導入していないことになります。

従業員数が100人未満だと、未導入の割合が50%を超えました。

以上から、従業員数が少ない企業ほど企業年金を導入している割合が低いといえます。

4. 老後資金のサポートとなる企業年金

2024年1月19日に総務省が発表した「家計調査」では、65歳以上の無職の世帯の消費支出額は25万8611円でした。

2025年4月から改定される厚生年金の受給額は、モデルケースで23万483円だったので、企業年金がないと生活費が不足しています。

企業年金の種類によって特徴も異なるので、制度の仕組みを把握して上手に活用しましょう。

参考資料

川辺 拓也