1. 米株高が追い風となり日経平均も上昇

2023年12月15日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比284円30銭高の3万2970円55銭となりました。14日の米株式市場でダウ工業株30種平均が6日続伸、連日で過去最高値を更新していました。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も6日続伸していました。米株式相場の上昇を受けて、日経平均も買われました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。15日の米株式市場でダウ平均は前日比56ドル81セント高の3万7305ドル16セントで終えています。7日続伸し、連日で最高値を更新しました。

ダウ平均は週間で1057ドル上昇しています。背景には、米連邦準備理事会(FRB)が来年に利下げに転じるとの観測が広がっていることがあります。実際に、12月13日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見では、過度の引き締めによる景気の失速を警戒する発言も出たことから、ハト派への転換と捉える投資家も多いようです。

ただ、日本市場で気になるのがそれにともなう為替の動向です。15日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は、1ドル=142円15~25銭で取引を終えています。一時は1ドル=150円を超えるほどの円安・ドル高傾向が続いていましたが、足元の米利下げ観測からドルが売られ、円が買われています。急激な円高により、自動車、機械などの輸出関連銘柄が売られています。長期化すると業績にも影響が出ます。

その方向性を示すものとして注目されているのが、18日~19日に開かれる金融政策決定会合です。日銀は2016年1月にマイナス金利政策を導入しました。マイナス金利政策が早期解除されるようであれば、さらに円高が進むことになります。

実際に年内に早期解除されるような展開にはならないと想定されていますが、会合後の植田和男日銀総裁の発言がタカ派と捉えられた場合、円が買われることになり、関連銘柄にも影響が出るので注意が必要です。その点では、金融政策決定会合までは様子見傾向になることも考えられます。積極的に日本株を買う材料もないことから、利益確定売りも出やすい局面です。柔軟に対応したいところです。

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