米株の下落を受けて日経平均も下落

2023年10月20日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比171円26銭安の3万1259円36銭となりました。続落です。ザラ場中には一時、下げ幅が300円を超える場面もありました。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が19日の講演で、さらなる金融引き締めに対して前向きな発言をしたことから金融引き締めが長期化するとの見方が広がり、ダウ工業株30種平均、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数がともに大きく下落。日本株も売られました。ただし心理的節目となる3万1000円付近では押し目買いも入りました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。20日の米株式市場でダウ平均は、前日比286ドル89セント安の3万3127ドル28セントで終えています。3日続落です。

イスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が始まって2週間になります。現状はまだ緊張が続いています。イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザ北部のイスラム組織ハマス拠点への攻撃を強化すると発表しました。地上戦も辞さない構えです。

中東での地政学リスクの高まりから、原油価格も上昇しています。長期化すれば世界経済への影響も出てきます。株式相場の格言で、かつては「遠くの戦争は買い」などと言われたこともありましたが、それも過去の話。グローバル化が進展している現在ではエネルギー価格の上昇などにより、国内企業にとっても経営へのインパクトになります。日本株も当面は、上値の重い展開が続きそうです。

円相場は1ドル=150円前後でもみ合う動きが続いています。介入への警戒感から149円90銭台で膠着しています。当面は急激な円安・ドル高傾向にはならないと思われます。

今週は米アルファベット、GM、コカ・コーラ、メタ、アマゾン・ドット・コム、フォード・モーターなどの決算が相次いで発表されます。国内では、ニデック、キヤノン、野村ホールディングス、キーエンス、日立製作所、信越化学工業などの決算発表があります。世界的に先行き不透明感が高まっている中だけに、好業績の銘柄を中心に物色していく戦略がいいでしょう。

Anas-Mohammed/shutterstock.com