2023年5月30日、厚生労働省は社会保障審議会において、次の制度改正に向けた検討項目を提示しました。
16項目あるうちの1つに、障害年金も含まれます。
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事が制限されてしまう状態の人に対して支給される年金です。
では、障害年金の受給額はいくらなのでしょうか。
本記事では、2023年6月から支給される障害年金の受給額と、受給要件について解説します。
1. 障害年金の受給要件
障害年金の受給要件は、加入している年金の種類によって異なります。
自営業やフリーランスで国民年金に加入している場合は「障害基礎年金」です。
一方、会社員で厚生年金に加入している人は「障害厚生年金」になります。
それぞれの受給要件がどのように違うか確認してみましょう。
1.1 障害基礎年金の受給要件
障害基礎年金の受給要件は、以下の通りです。
基本的に、障害や病気で診療を受けた初めての日に国民年金に加入していると、障害年金の対象となります。
障害等級は、国民年金法に定められている障害の程度を記載したものです。
1級は、他人の介助がないと生活ができない程度を指します。
2級は、常に介助が必要ではありませんが、日常生活は自力では困難な状態で、労働による収入も得られない状態です。
次に、障害厚生年金の受給要件を見ていきましょう。
1.2 障害厚生年金の受給要件
障害厚生年金の受給要件は、次の通りです。
基礎年金部分との違いは、障害等級が3級でも年金の支給対象になる点です。
労働に著しい制限が必要となる状態を指します。
以上から、障害厚生年金は3級も対象となるので、障害基礎年金よりも手厚い保障が受けられるとわかります。
では、受給額にどのような違いがあるのか確認してみましょう。
2. 障害年金の受給額
障害年金の受給額を「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分けて確認します。
受給額は、以下の通り決められています。
- 障害基礎年金:障害等級の程度によって定額で給付
- 障害厚生年金:報酬比例(厚生年金の加入期間や報酬)で給付額が決定
障害厚生年金を受給する場合は、障害基礎年金に上乗せして支給されます。
それぞれの受給額や計算方法について確認してみましょう。
2.1 障害基礎年金の受給額
障害基礎年金の受給額は、以下の通りです。
また、障害年金を受け取っている人によって生計を維持されている子どもがいると、年金額が以下の通り加算されます。
- 2人まで:1人につき22万8700円
- 3人目以降:1人につき7万6200円
続いて、障害厚生年金を確認してみましょう。
2.2 障害厚生年金の受給額
障害厚生年金の受給額は、次の通りです。
報酬比例部分は、平均標準報酬月額と厚生年金の加入期間に、所定の倍率を掛け合わせて計算されます。
障害基礎年金との違いは、65歳未満で生計を維持されている配偶者がいる場合は、年金額が加算される点です。
同じ障害等級でも、国民年金と厚生年金のどちらに加入しているかで、支給される年金は変わります。