50歳代は、順調にキャリアを重ねた場合には、給料のピークを迎えている年代です。

「社会人になってから30年と考えると、それなりに貯蓄もできているのでは?」と考えますが、実際、50歳代はどのくらい貯蓄があるのでしょうか。50歳代の平均貯蓄額をご紹介します。

また、「平均以下」「貯蓄ゼロ」という人も、諦めずに「新NISA」を活用することで、今からでも効率的に老後資金を作ることが可能です。

そこで、50歳代から新NISAを活用して老後資金を準備する方法をタイプ別に3つご紹介します。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

50歳代の平均貯蓄額はいくら?

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」から、二人以上世帯と単身世帯の金融資産保有額をみてみましょう。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」をもとに筆者作成

二人以上世帯も単身世帯も、平均値は1000万円を超えています。

貯蓄額の平均値は、一部の富裕層の高額な貯蓄額によって引き上げられる傾向があるため、より実態に近いとされる中央値をみてみると、二人以上世帯は350万円、単身世帯は53万円となっています。平均値と中央値が乖離していることがわかります。

金融資産保有額を金額の幅ごとに割合で示したグラフもみてみましょう。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」をもとに筆者作成

これをみると、平均値と中央値が乖離していた理由がわかるでしょう。

金融資産を保有していない世帯(貯蓄ゼロ世帯)が二人以上世帯では24.4%、約4世帯に1世帯となっています。単身世帯では39.6%と、約4割の世帯が金融資産を保有していないという結果になっています。

一方で、3000万円以上あるという世帯も二人以上世帯で10.8%、単身世帯で9.6%と1割近くを占めています。貯蓄額に関しては、平均値はあまり意味をなさないといえるでしょう。

50歳代からはじめる「新NISA」ポイントは?

50歳代は、老後資金を貯めるにはもう遅いと思っている人は多いと思います。

しかし、人生100年時代と考えれば、ちょうど半分です。まだ50年あると思えば、まったく遅くないことがわかるでしょう。残りの50年は効率よく増やしていくことに注力しましょう。

2024年から始まる「新NISA」を活用すれば、期限なく非課税で運用できるため、効率よく資産を増やしていくことができます。

新NISAの概要は以下の表で確認してください。

出所:金融庁「新しいNISA」をもとに筆者作成

新NISAでポイントとなるのが、「非課税保有限度額」の1800万円です。

新NISAは期限が無期限となりましたが、生涯を通して非課税で運用できる限度額が1800万円という新たな枠が導入されました。この枠は再利用できるので、売却と購入を繰り返すこともできます。

老後に向けた資産形成をするなら、新NISAを最大限に活用する、つまり1800万円の非課税枠を使い切るといいわけです。

若い年代から始めれば、30年、40年と長い期間をかけて1800万円の枠を使うことができますが、50歳から新NISAを始めた場合、65歳まで積み立てるとすると、15年間で1800万円の枠を使い切らなければなりません。

そうなると、月々の積立額を多くするか、年間投資枠以内でまとまった額を一括投資する必要が出てきます。

ただ、50歳代でも「貯蓄がある人、ない人」、「収入が多い人、少ない人」、「投資でリスクをとれる人、とれない人」とさまざまなタイプがあります。

そこで、50歳代の人に向けた新NISAの活用方法3つと、どんなタイプの人におすすめなのかをお伝えしたいと思います。