政府は、2023年3月22日にエネルギーや食料品等の物価高騰の影響を受けた低所得世帯の支援として、1世帯あたり3万円の支援金を支給することを決定しました。

低所得世帯とは具体的に住民税非課税世帯のことを指しますが、住民税が非課税になる年収はいくらまでなのかなど、該当条件についてよくわからないという方もいるでしょう。

住民税非課税世帯に該当すると今回の3万円支給だけでなくさまざまな制度が利用できるため、該当条件について理解しておきましょう。

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1. 住民税非課税世帯とは?

住民税は「所得割」と「均等割」の2つで成り立っています。所得割は、前年の1月1日から12月31日までの所得に対し10%の課税となり、所得に応じた金額を負担します。

均等割は所得にかかわらず一律で負担し、自治体にもよりますが一般的に5000円前後のことが多いです。

「住民税非課税」とは所得割と均等割のいずれも課税されない方が該当し、「住民税非課税世帯」とは世帯全員が住民税非課税に該当する世帯のことをいいます。

1.1 住民税非課税世帯となる条件

住民税が非課税となる条件は自治体により異なります。ここでは、世田谷区の条件を参考に確認していきましょう。

世田谷区において住民税が非課税になる条件は以下の条件を満たす方です。

出所:世田谷区「非課税制度」

  • 生活保護を受けている(その年の1月1日現在)
  • 障害者、未成年者、ひとり親、寡婦の方で前年の所得が135万円以下(給与収入で204万4000円未満)
  • 前年の所得が次の金額以下の方
  1. 生計を一にする配偶者や扶養親族がいない方:45万円
  2. 生計を一にする配偶者や扶養親族がいる方で次の金額以下の方:
    35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数(年少扶養含む)+1)+31万円

なお、詳しい条件についてはお住いの自治体に確認してください。

2. 住民税が非課税世帯になる年収の目安を確認

前項で解説したように、住民税が非課税になるには年収条件が細かく設定されています。

具体的に非課税になる年収の目安について、一例をご紹介します。

  • 会社員・パート・アルバイトなど:年収100万円以下(合計所得金額45万円以下)
  • 配偶者の扶養に入っている方:年収103万円以下(合計所得金額48万円以下)
  • 65歳未満の年金受給者:年金収入105万円以下
  • 65歳以上の年金受給者:年金収入155万円以下

上記は目安であり、実際にはご家庭の状況により異なります。

3. 令和5年度の住民税非課税世帯への支援給付金とは

出所:内閣官房「物価・賃金・生活総合対策本部(第8回)議事次第」

昨今のエネルギー・食料品価格などの物価高騰による家計の負担増加をふまえて、政府は「令和5年度住民税非課税世帯等への価格高騰重点支援給付金」として、1世帯につき3万円を目安に給付する方針であることを発表しました。

ただし、2023年4月26日現在、具体的な支給対象世帯や申請方法、受付開始時期などについては未決定である自治体がほとんどで、詳細がわからないという状況です。

すでに詳細について知りたい方が多く、一部の自治体窓口には多くの問い合わせが寄せられているとのことです。詳細がわかり次第自治体のホームページ等でお知らせされるため、最新の情報が発表されるまで待ちましょう。

3.1【参考】令和4年度の申請方法

令和5年度の申請方法などの詳細は未定ですが、参考までに令和4年度の申請方法を紹介します。申請方法も自治体により異なるため、ここでは大田区を例にとって解説します。

大田区では、給付金の対象と見込まれる世帯の世帯主あてに、確認書が送付されます。記載内容を確認し、返信用封筒に入れて郵送します。審査が完了し支給が決定した世帯には「支給のお知らせ」が送付され、書類に不備等がなければ書類受領日から1ヵ月〜1ヵ月半を目途に振込みとなります。

令和5年の申請方法などについては最新の情報を確認してください。

4. 自治体の情報を確認しよう

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住民税が非課税になるのは、所得割と均等割のいずれも課税されない方が該当で、世帯全員が住民税非課税に該当する世帯のことを住民税非課税世帯といいます。

住民税非課税世帯に該当するかどうかは年収条件などが細かく決められているので、詳細はお住いの自治体に確認しましょう。

「令和5年度住民税非課税世帯等への価格高騰重点支援給付金」として、住民税非課税世帯に1世帯につき3万円が給付されることになりましたが、詳細は未定である自治体がほとんどです(2023年4月26日現在)。

自治体から発表される最新の情報をこまめにチェックしましょう。

参考資料

木内 菜穂子