3. 『鬼滅の刃』に貢献できる幸せ

先が見えない不安や制約の多いコロナ禍の日常生活で、ある種の希望の光となっている『鬼滅の刃』。

30代のCさんはこう語ります。「登場人物がみんな素晴らしい。鬼滅の刃を見るとどれだけ辛いことがあっても頑張らないと、って思えるんです」

そんなCさんは、なんと映画を20回も観に行ったというツワモノ。発売されたグッズは片っ端から買い揃えているそう。

「私の推しは、善逸くん。彼にはもう何十万も貢いでいますよ」と笑います。

Cさんが足しげく映画館へと足を運ぶのは、何度も映画を観たいからという気持ちはもちろんですが、それ以上にやはり「鬼滅を歴代興行収入1位にしたいから。もっともっと鬼滅が注目されて、もっともっと認知されたらいいな、と思っているんです」。

映画館に自分が足を運ぶこと、グッズを購入することが、鬼滅の刃の続編のアニメ化、さらなるグッズ展開への一助になるのではないのか…とCさんは考えているそうです。「これからも、鬼滅の刃にお金は惜しみなく使います!」

Cさんの話の中に、筆者は「自分の消費行動が、鬼滅の刃というコンテンツを支えている」という自負を感じました。つまり、「煉獄杏寿郎を“300億の男”にしたい」と活動してきた女性たちは、鬼滅の刃への熱い思いを消費行動で表現している、いわば「タニマチ」ともいえる存在なのかもしれません。