圧倒的なシェアを誇るJTの牙城が崩されることもあり得る

JTは2月6日、2016年12月期連結決算(国際会計基準)を発表しました。純利益は前期比13%減の4,216億円で、今期も減益を見込んでいます。

JTでは本業とも言えるたばこの国内販売で苦戦が続いています。2017年12月期の国内販売数量見通しは前期比9.6%減の960億本となっています。1,000億本を割り込むのは民営化以降初めてです。

知らない人もいるかもしれませんが、実は、JTはたばこの販売数量では、首位のPMI、2位のBATに次いで、世界3位のポジションに位置しています。積極的なM&A(合併・買収)で海外の事業基盤を獲得・拡充し、成長を続けてきました。さらに、国内では6割以上という圧倒的なシェアを誇ってきました。

しかし、加熱式たばこでは先発のPMIの1強状態となっています。大げさでなく、日本市場というJTの牙城が崩されることもあり得ます。今後、JTがどこまで巻き返すことができるのか、注目したいところです。

 

下原 一晃