世界の株式市場で売りが広がる

2021年11月26日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より747円66銭安の2万8751円62銭でした。下げ幅は6月21日以来およそ5カ月ぶり、今年4番目の大きさでした。心理的節目の2万9000円も割り込む大幅安となりました。

大きな要因は、同日早朝、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異ウイルスが検出され、感染が急増していると伝わったことです。海外でコロナの感染状況が悪化することで経済活動が停滞するとの懸念が投資家の間に広がり、幅広い銘柄が売られました。

今週の展開はどうなるでしょうか。新たな変異ウイルス「オミクロン株」の脅威はアジア市場から欧州市場、さらに米国へと流れが続きました。日経平均、香港ハンセン指数、インドSENSEXなどの指数が下落、ドイツDAXも下げました。

米国では26日は25日の感謝祭翌日にあたり、株式市場は午後1時までの短縮取引でしたが、同日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落し、前日より905ドル04セント安の3万4899ドル34セントで終えました。下げ幅、下落率ともに今年最大です。

各国政府は変異ウイルスへの警戒感を強め、南アフリカなどからの渡航制限を発表しています。この流れが加速すると、世界各国で経済の回復が遅れると見られ、株式相場が停滞する可能性もあります。

ただし、週末の段階では新たなニュースに投資家が狼狽して売りに回ったような状況でもあります。週明けから「往って来い」になることも想定されます。もちろん、安易な判断をせず、どちらに動くのか様子を見たいところです。