40代の転職、未経験の仕事を選んだ理由

前述したように、40代～50代の未経験者が運送業や飲食業へ転職するパターンもあるようです。（株）ビズヒッツが40代で未経験の仕事に転職した146人を対象に「40代の転職に関する意識調査」を実施しました。

未経験の仕事への転職理由でもっとも多かった回答が「やりたい仕事・新しい仕事への挑戦」（19.9％）となっています。

  • 今まで経験したことのない仕事にチャレンジするには今が最後になるのではと感じた（42歳 女性）
  • 今までの仕事は食いつなぐためだけでやっていた。本当に興味のある仕事に転職できるのは、この年齢が限界だと思ったから（40歳 男性）

（出典：ビズヒッツ「40代の転職に関する意識調査」）

本当にやりたい仕事に就く最後のチャンス！と一念発起した人が多かったようです。また女性の場合は、20代～30代は育児を優先し、子どもの手がかからなくなった40代になって、やっと本当にやりたかった仕事に就いた人が多かったようです。

次いで多かったのが「倒産・解雇・契約終了」（15.8％）。コロナ禍の影響が大きいのかもしれません。

  • 長年勤めていた会社が倒産し、急いで次の仕事を探したため（49歳 男性）
  • 会社の業績が悪く派遣切りにあって、選ぶ余裕がなかった（40歳 女性）

（出典：ビズヒッツ「40代の転職に関する意識調査」）

突然の倒産や解雇、派遣切りで「すぐに就職先を見つけなければ」という状況になり、職種を選ぶ余裕がなかった人も一定数いるようです。本来やりたい仕事が見つかるまでの「仮の転職」をした人もいたといいます。

3番目多かった理由が「収入アップのため」（12.3％）となっています。

  • コロナで夫の給料が下がり、これまでの仕事より少しでも多く給料がもらえるところをと考えた（40歳 女性）
  • 年収がなかなか上がらないため、老後の生活を考え、思い切って転職することを選んだ（40歳 男性）

（出典：ビズヒッツ「40代の転職に関する意識調査」）

コロナ禍の影響もあるようですが、「もう昇給しないな…」と見切りをつける年齢が40代といえるのかもしれません。

40代未経験職への転職、よかった？後悔？

同調査では「未経験の仕事に転職してよかったか」どうかも質問しています。結果は「よかった」が33.6％、「どちらかといえばよかった」が45.2％で、計78.8％がよかったと思っているといえます。「視野が広がった」「やりがいがある」「新しいことに挑戦できて仕事が楽しい」といった声がある一方で、後悔している人もいます。

「仕事が合わない」「入社前の説明と実態が違った」「給与が下がった」などの声もあります。急いで転職したことによるリサーチ不足が原因ともいえそうです。勢いで転職先を決めず、他社と比較したり自分の希望を整理する時間も必要といえそうです。