筆者の家庭では1日1回は「今日は何をしたか」会話をする時間がありました。小学校高学年の頃、親が日中仕事に出ている日も多かったので、勉強している時間に限らず、食事の時、寝る前など、長い時間話す日もあれば3分くらいの日もありました。

このことで親とのコミュニケーションを確保するだけではなく、自分の考えを相手にわかるように話すために整理する力が自然と身につきました。中学受験で経験した面接では、学校生活を振り返ってどんなことを学んできたか、自分の言葉で話す質問が多かったと記憶しています。

毎日のスキマ時間の会話で育った力が、思わぬ形で発揮された経験でした。またこの力は、自発的に学習することにもつながるのではないでしょうか。学習においても自分でわからない疑問点を見つけてそれを解決すること、そもそも宿題があることを思い出すことなど、自分の頭の中を整理することが重要です。子どもが自分で考える習慣を身につけるために、日頃の会話で手助けをしてあげましょう。

「できないこと」よりも「できること」に目を向けて、気持ちのリセット

子どもが自発的に行動する気持ちを育てていくこと、それをふとしたきっかけで折らないこともとても重要になります。

テストの点が下がったり悪い評価の成績表がくると、子どもはどうしても悔しさや苦手意識などを抱いてしまいます。ここでできなかったことを怒ったり注意してしまうと逆効果で、ネガティブな感情のまま勉強を続けることになります。

学年が進むに連れ、その苦手意識が知らず知らずのうちに大きくなってしまう可能性があります。そのため、1つでもできたことに目を向けたり、できなかった原因を一緒に見つめ直すような形で成績などは振り返ることが効果的です。

もちろん明らかに勉強をサボっていたなど、原因がわかれば褒めるのではなく注意は必要でしょう。しかし筆者の親はできなかったことは仕方ない!と認めてくれました。その代わりにできたことを評価したり、できなかったことについては、どう改善していくのか一緒に考えてくれました。

このことが、たとえ失敗しても勉強を嫌いにならなかったことに役立ったなと感じています。あくまでも「気持ちをリセット」してあげることが、次に向かう為に必要な習慣です。

まとめ

これらの習慣は共通して、子どもが勉強に取り組むような環境をあくまでも自然に整えるものだと考えられます。日々の会話や気持ちの向け方など小さなことから意識して、自発的な勉強の習慣を身につけられるような教育を心がけてみては。

吉永 涼