では私たちは、今から老後に備えて何を準備しておけばよいのでしょうか。報告書の中では、現役期、リタイア期前後、高齢期という3つの区切りに分け、それぞれの期においてどのようなアクションが必要なのかを具体的に提唱しています。

まず現役期ですが、長期分散積み立て投資をなるべく早いうちから行い、資産を形成していくことが必要とされています。そして、自分に合ったマネーアドバイザーを見つけることも大切だと伝えています。

次に、リタイア期前後において、退職金がある場合は、退職金を踏まえたライフプランとマネープランづくりを再検討、そして収支の見直しと中長期の資産形成を継続しながら、長期を見据えた計画的な取り崩しを実行していく必要があるということが示されています。

最後に、高齢期においては、認知、判断力など心身の能力低下に備えることや万が一の場合にも金融サービスを受けやすくする準備が必要ということを伝えています。さらに、資産の計画的な取り崩しの実行をすることが必要とされています。

まとめ

若い世代であれば、老後に備えて積み立て分散投資を早くから始めることが大切ですが、中年以降は、それに加えて健康面にも気を付けることが必要になってきます。

というのも、高齢化の日本での問題の一つに、認知症問題があります。現在軽度の人を含めると65 歳以上の4人に1人が、2025 年に65 歳以上の約5人に1人が該当することになると推定されています。老化は避けられないけれども、認知症になった時のことも想定して準備をしつつ、健康で何らかの仕事を続けることで将来の不安が少し和らぐのではないでしょうか

【参考】
総務省「家計調査」(2017年)
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書