”マック”で始まった日本のハンバーガー、実質価格は48年間で3分の1に

最高益達成の後はやや伸び悩む日本マクドナルドの業績

日本マクドナルドの収益が踊り場を迎えてやや苦しんでいます。2018年12月期に営業利益で過去最高益を達成したものの、2019年に入ってからは伸び悩みが顕著です。実際、先の第1四半期決算は、売上高こそ対前年同期比+3%と伸長しましたが、営業利益は同▲6%減、税金費用の増加などで最終利益は▲28%減となりました。

こうした収益伸び悩みを反映するかのように、株価も低迷気味です。現在の株価は4,800円前後で推移しており、上場来高値(6,030円)を記録した2018年6月をピークに停滞感が強まっていると言えましょう。

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確かに、足元の業績は伸び悩み傾向です。しかし、この5年間で日本マクドナルドが泥沼から這い上がってきたことも忘れてはいけない事実でしょう。

店舗を大量閉鎖した大リストラで業績は急回復したが…

今からちょうど5年前の2014年7月、日本マクドナルドはそれまで減少傾向が続いた客離れが一層加速する“賞味期限切れチキンナゲット販売事件”を引き起こしました。

これは、中国の委託先メーカーで使用期限切れの鶏肉を使用していたことに加え、同じ委託先での非衛生的な製造ラインにおける日常的な調理も明るみとなり、大きな社会問題となったのです。覚えている方も多いはずです。

さらに、翌年2015年1~2月には、一部の主力商品への異物混入も立て続けに発覚し、来店客の大幅減少から深刻な収益悪化を余儀なくされました(2015年12月期は過去最大の赤字を計上)。そして、多数の不採算店舗の閉店を柱とする大リストラを実行したのです。このリストラ実施時に閉鎖した店舗数は130店舗を超えていた模様です。

そして、大リストラ実施後は、戦略商品を前面に出した商品メニューの見直し、顧客層を絞ったマーケティング戦略などが奏功した結果、業績は急回復して冒頭に記した最高益達成となったのです。

ただ、リストラ直後は固定費削減効果が出やすいので、業績のV字回復はよく見られるケースです。本当の真価が問われるのは、正しくこれからでしょう。

高度経済成長期の末期に登場したのがマクドナルドだった

さて、その日本マクドナルドが48年間に渡って販売している商品がハンバーガーです。実は、7月20日は「ハンバーガーの日」です。ご存じでしたか?

これは、日本マクドナルドが1996年に制定しました。その由来は、1971年(昭和46年)7月20日に、マクドナルド1号店が銀座にオープンしたことです。記録によれば、この日は約1万人の客が来店し、100万円以上の売上があったようです。今振り返ると、日本のファストフード業界にとっても、非常に重要な日だったと言えそうです。

マクドナルドのハンバーガーが初めて販売された1971年は、まだ一応、高度経済成長が続いていた時代でした。「一応」としたのは、1971年のGDP実質成長率が+5.0%となり、戦後復興期以降では最低の伸び率となったからです。1964年の東京五輪終了後の不況時でさえ+6.2%成長だったことを勘案すると、当時は暗いムードが少なからず漂い始めていたと考えられます。

なお、翌1972年の成長率は+9.1%へ回復しましたが、オイルショックの影響を受けた1974年には戦後初のマイナス成長(▲0.5%)に陥りました。振り返ってみれば、1971年は高度経済成長の末期だったと言えます。

ハンバーガーの「実質価格」は48年間で概ね3分の1へ下落

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国立大学卒業後、国内・外資系の金融機関にて23年勤務後に独立。証券アナリストなどの職務を経験し、ファイナンシャルプランナー関連等の金融系資格を多数保有。専門は株式投資、貴金属投資、年金、相続、不動産。