現代では安定を考え「正社員希望」というママも少なくありません。しかし正社員になれば、残業が必要な場合も多いもの。子育て中はなかなか残業できないので、実際は「パートや派遣」といった雇用形態を選ぶことになります。

子どもがある程度育てば残業できるようになりますが、今度はママが40代以上というケースが多く、正社員の求人自体があまりないことも。安定した職を求めるのは難しいのです。

仕事をセーブする期間が長い

正社員並みに働いたり、自分の好きな仕事に就くためには、ある程度子どもが成長する必要があります。保育園までは働けても、「小1の壁」「小4の壁」がありますし、高学年で留守番ができるようになっても「残業までは…」と躊躇してしまいます。

また、中高生以降ならばと思ったとしても、子どもが中学生になるまでは12年。子どもが2人以上いれば15年、20年という人もいるでしょう。子どもを持つ場合、10年以上は働き方をセーブすることになります。

仕事選びより難しい、保育園探し

今回印象的だったのは、「仕事選びよりも、保育園選びが難しい」ことでした。女性の場合、「職探しと保育園探し」はセットになります。

就労相談でも、「仕事はありますけど、まずは末っ子の預け先選びですね」と言われました。保育園相談でも「今は保育園もいっぱいで、仕事が決まっても保育園が決まらないとか、自宅からも会社からも遠い保育園に預ける方もいます」との答え。

実際に、周辺の認可保育園には空きがありませんでした。

「できること」を拾っていく

子育てママが仕事探しをするには、多くの壁があります。壁がどれだけ低くなるかは周囲の理解と協力にかかっていますが、核家族・共働きの場合は難しいのが現状です。1人の人間が人生で子育てや介護をしながらでも働きやすいよう、いっそうの働き方改革が必要だと感じます。

また、こうした現状では、「できないこと」を並べるよりも、「できること」を拾っていくことが大切でしょう。長い目で考え、子育て中に希望職種の資格をとる、パートで経験を積んでおく、あるいは在宅でもできるウェブ業界の仕事に挑戦するという方法もあります。

今回訪れたマザーズハローワークは、「マザーズハローワーク、保育園相談、子育て相談、遊び場、託児所」が一体となった珍しい施設でした。子連れの就労相談は大変ですが、1カ所で就労相談も保育園の相談もできるのは非常に助かりました。

全国にこういった施設が広がり、ママが職業相談をしやすくなることも大切でしょう。

宮野 茉莉子