お金持ちになるための職業とは

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お金持ちになるのはどのような職業が良いのでしょうか。医者でしょうか、弁護士でしょうか、それもとも外資系金融機関でファンドマネージャーやインベストメント・バンカーでしょうか。それとも戦略コンサルティング会社でコンサルタントになることでしょうか。今回はデータをもとにみていきましょう。

年収の高い産業とは何か

「年収の高い産業は決まっている」というとどうでしょうか。おそらく多くの方は「金融業」でしょうと答えるのではないでしょうか。

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はい、「金融業・保険業」は高い産業には間違いありませんが、一番ではありません。年収の高さとすれば、二番手です。

ではどの産業の年収が高いのでしょうか。

答えは「電気・ガス・熱供給・水道業」です。意外ではないでしょうか。同産業の年収、平均給与は国税庁の調べによれば約770万円。一方で、「金融業・保険業」は626万円です。

こういうと「年収として770万円は決してい低くはないが、それではお金持ちとは言えないぁ」という人もいるでしょう。確かにこれではお金持ちとは言えないでしょう。

お金持ちの定義は様々ですが、いわゆる「富裕層」と呼ばれる人たちは金融資産が1億円以上ある人たちです(ご興味があれば参考記事をご覧ください)。だとすると年収770万円から金融資産として1億円以上貯めるには何年かかるのか、という話になってしまいます。ちなみに、金融資産に不動産は含まれません。

参考記事:「お金持ちはいくら持っていると富裕層といわれるのか」

外資系金融機関での年収はいくらなのか

外資系金融機関での高年収は以前より多くの人が知るところですが、いわゆる「フロント(オフィス)」と呼ばれる収益を生み出す仕事は間違いなく高年収です。それ以外にも「ミドル(オフィス)」、「バック(オフィス)」という仕事領域があり、それらは年収は低くないものの皆さんがイメージするほどではありません。もっとも「フロント」スタッフを支えるアシスタントの方が「ミドル」や「バック」で昇進するよりも高給だというケースもあります。

さて、外資系金融機関のフロントと定義したとするとどれくらいの年収が期待できるのでしょうか。入社してすぐの人材であれば1000万円にとどかないひともいますが、一定の評価を受ければ年収2000万円から5000万円クラスはごろごろいる職場です。むしろそれくらいの年収を手にしていなければ上司から「使えない人材」という評価を受けているという見方もできるでしょう。極めて厳しい職場環境です。

「そんなに高い年収が手に入れられるのか」という意見もあるでしょうが、勤続年数を考えればそれほど生やさしい環境ではありません。金融機関によってはフロントの平均勤続年数は3年程度というレベルの職場もあります。まさにプロサッカークラブのような平均勤続年数ともいえるでしょう。

参考記事:「年収5000万円をサラリーマン30代で手にしても不満だった本当の理由とは」

外資系コンサルタントはどれくらい稼ぐのか

外資系コンサルタントは仕事は派手に見えますが、金融機関の従業員のように大きな資金を動かすことでの手数料収入や信託報酬というビジネスモデルではないので、基本は「一生懸命」に仕事を「し続け」なければならない仕事です。これは弁護士や会計士、そして医師も同じかもしれませんが、世間の評価は高いものの労働集約的な職業といわれています。

マッキンゼーやボストンコンサルティングの決算や公開情報を見ると、労働時間当たりの賃金という意味では金融機関に劣ってしまう可能性もあります。

参考記事:「マッキンゼーやボストン コンサルティングのコンサルタントは一体どのくらい稼いでいるのか」

弁護士の年収は一体どれくらいか

弁護士といえば、司法試験にパスするのは難しく、また高給を手にできる職業だというイメージがあります。その一方で、それほど高給取りではないという話もあります。

そのデータが「法曹の収入・所得, 奨学金等調査の集計結果(平成28年7月)」と題されたレポートには弁護士の所得結果が記されています。

平成27年分の所得の平均値は弁護士登録1年目から15年目までで716万円。これが中央値になると537万円となります。いかがでしょうか。イメージと異なるのではないでしょうか。

ちなみに、弁護士登録6年目以降15年目までの所得の平均値は917万円、中央値は727万円となり、弁護士になったからといって1000万プレーヤーかというと現実的にはそう簡単ではなさそうです。

参考記事:「年収1000万円を若くして手にできるのはどの職業か」

日本の上場企業でも年収1000万円以上も稼げるのはどの会社か

外資系金融機関や外資系コンサルでなくとも年収1000万円以上を稼ぐことができる会社は実はいくつもあります。中には従業員の平均年齢が35歳代で平均給与が2000万円なんて言う会社もあります。一体従業員にそんなに大盤振る舞いできる会社はどこなのでしょうか。

それは、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事といった総合商社です。

参考記事:

職業で高年収を手にしてもそれは真のお金持ちではない

こうしてみてくると、「お金持ちの職業」と考える自体に意味がないのかもしれません。外資系金融機関に勤務していたり、外資系コンサルタントといっても所詮従業員です。年収は会社が決めている数値であり、自分で自由になる金額ではありません。こうなると、「何かのビジネスで一発当てた」とか、「起業して成功した」とか、「農地が高く売れた」とか、「代々の資産運用に成功している」というような人がお金持ちの素顔かもしれません。

青山 諭志

参考記事

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慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄といった個人の資産運用(パーソナルファイナンス)を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。