昨今、問題視される所得格差。

最近では国による高齢者雇用の推進もあり、シニア世代で働く方が増えています。

長寿国である日本では、自分だけでなく、親の老後の生活を不安に感じているという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、老後を迎えた60歳代に注目し、「仕事とリアルなお金事情」についてご紹介します。

【60歳代以上の仕事】ひと月の収入はいくらか?

日本労働組合総連合会の「高齢者雇用に関する調査2020」の資料を参考に、シニアの雇用実態を紐解いていきましょう。

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出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

60歳代以上の月の給与を多い順に並べます。

60歳代以上の1カ月の給与

  • 20万円~25万円未満:20.5%
  • 5万円~10万円未満:20.0%
  • 15万円~20万円未満:19.3%

20万円台前半の方が多い一方で、一桁の方も多いようですね。

全体の平均給与は18万9000円でした。

気になる点としては、雇用形態によってその平均給与額に差があることでしょう。続いて、雇用形態別に60歳代以上の平均給与を確認します。

  • 正規雇用者:33万1000円
  • 非正規雇用者:13万円

60歳代に限らず、雇用形態による所得格差はどの年代でも見られる傾向があります。定年後も正社員として継続勤務できる場合は、ある程度の給与水準は保たれるケースが多いようですね。

しかし、あくまでも平均額であるため、個人差があるという認識が必要です。

自分が働く職場では、「退職後の給与水準はいくらぐらいか」「退職金制度はどうなっているのか」「いくら退職金は受け取れるのか」を事前に把握しておくと良いでしょう。

【60歳代以上の仕事】1日の平均労働時間は6.8時間。満足度は?

1日あたりの平均労働時間については、「8時間」(42.0%)と回答した人が最も多く、フルタイム勤務中心であることが分かります。

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出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

雇用形態別に労働時間の平均をみると、正規雇用者は8.0時間、非正規雇用者は6.3時間でした。

続いて、60歳代以上の人に現在の仕事についての満足度を聞いた結果を見ていきましょう。

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出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

現在の仕事に「満足している」と回答した人の内訳

  • 働き方:70.3%
  • 労働時間:73.8%
  • 労働日数:73.3%
  • 仕事内容:71.5%
  • 賃金:44.0%

資料からは、「満足している」と答えた割合が7割を超えるものが多いですね。仕事に対して満足度を感じている方が多数派であることが分かります。

その一方で、「賃金」のみは「満足していない」という回答が過半数となりました。

給与面に関しては満足感を得ている方は4割程度に留まりました。

【60歳代以上の仕事】何歳まで働きたい?そのワケとは

同調査において「今後、何歳まで働きたいと思うか」と聞いたところ、以下の結果となりました。

回答者の年齢別にみると、働きたいと思う年齢の平均は下記のとおりです。

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出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

何歳まで働きたいか

  • 45歳~49歳:66.3歳
  • 50歳~54歳:66.2歳
  • 55歳~59歳:65.7歳
  • 60歳~64歳:67.8歳
  • 65歳~69歳:71.1歳

全体平均は67.4歳となりました。しかし、60歳代後半になると、平均71.1歳という結果でした。60歳代後半~70歳代前半まで働きたいと考えている方が多いようですね。

その理由も多い順に確認しましょう。

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出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」

60歳代以降も働きたいと思う理由

  • 「生活の糧を得るため」(77.0%)
  • 「健康を維持するため」(46.2%)
  • 「生活の質を高めるため」(33.9%)
  • 「働くことに生きがいを感じているため」(28.8%)
  • 「仕事を辞めてもやることがないから」(24.9%)

金銭面や健康面といった理由が多く理由に挙げられていることが分かりましたね。「生きがいを感じるため」と答えた方は3割程度に留まりました。

60歳代以降のお金事情は、それほど厳しいものなのでしょうか。

原則として、65歳以降は国民年金や厚生年金が受給できるようになります。こうした年金の受給金額によっては、長く働き続ける必要があるということですね。

最後に、60歳代以上の方が現在受給している「厚生年金と国民年金」の受給額も見ていきましょう。

60歳代以上は厚生年金と国民年金をいくら受給しているのか

60歳以降の老後の生活資金の柱となるのが、公的年金です。

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出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

厚生労働省の「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況」を参考に、実際の受給額も見ていきましょう。

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出典: 厚生労働省の「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況」

出典: 厚生労働省の「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況」

国民年金の平均年金月額

  • 60歳:3万9019円
  • 61歳:4万594円
  • 62歳:4万1689円
  • 63歳:4万2881円
  • 64歳:4万3513円
  • 65歳:5万7919円
  • 66歳:5万7737円
  • 67歳:5万7569円
  • 68歳:5万7272円
  • 69歳:5万7169円

厚生年金(第一号)の年金平均月額

  • 60歳:9万838円
  • 61歳:5万9575円
  • 62歳:6万0436円
  • 63歳:7万8770円
  • 64歳:8万636円
  • 65歳:14万5337円
  • 66歳:14万5703円
  • 67歳:14万3386円
  • 68歳:14万1979円
  • 69歳:14万36円

※国民年金部分を含む

65歳未満は繰上げ受給や特別支給の老齢厚生年金の対象になるため少なくなっています。

上記を見ると、手厚いイメージのある厚生年金であっても、ひと月の平均受給額は65歳以降で14万円台とでした。夫婦共働きで定年まで勤めるとある程度の金額は確保できますが、求める生活水準によっては十分でない場合もあります。

一度、自分はいくらくらい年金が貰えるのか確認することをおすすめします。

毎年送られてくる「ねんきん定期」を確認してみましょう。あくまで参考ですが、ご自身の60歳代をイメージの材料にしていただければと思います。

まとめにかえて

今回は、「働くシニア」を参考に高齢者の雇用実態についてまとめてみました。

生きていく上で必要不可欠な「お金」ですが、現役世代の目まぐるしく働いているうちは収入も安定しているため、老後の資産づくりを重要な課題として考えない方もいらっしゃるかもしれません。

漠然としたお金の悩みを抱えながら老後を迎えるのではなく、現役時代からのライフプランニングが重要です。

人生100年時代、時間にもお金にもゆとりを感じられる老後を迎えるためにも、まずは「自分の望む将来はどんなものか」と自分に問いかけるところから考え始めてみるのはいかがでしょうか。

参考資料

仲宗根 梨世