Vlogや旅行の記録などで活用されているジンバルカメラ。ただ、大手メーカーの定番製品は5万円以上するものもあり、初めて購入するには少しハードルが高いと感じる人もいるでしょう。
そこでご紹介したいのが、株式会社慶洋エンジニアリングがKEIYOブランドから販売している4K対応ブラシレスジンバルカメラ「KEGS1」です。
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出所:株式会社慶洋エンジニアリング
オンラインストア価格は1万7380円(税込)。1万円台とジンバルカメラとしては比較的手頃な価格ながら、4K動画撮影や人物の自動追跡、スローモーション撮影などに対応しています。
今回は、KEGS1を使って歩きながらの撮影や、三脚を利用したテニスのフォームチェックなどを試しました。実際の使用感をもとに、得意な撮影シーンと注意したい点を解説します。
1. 4K撮影や自動追跡に対応するコンパクトなジンバルカメラ
KEGS1は、ブラシレスジンバルとカメラを一体化した撮影機材です。本体サイズは約幅38×高さ160×奥行40mm、重量は約164g(三脚を除く)。片手で握れるスリムな形状で、小さなバッグにも収まるコンパクトなサイズです。
以下、仕様における主な特徴です。
1.1 最大4K/30fpsの動画撮影に対応
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出所:株式会社慶洋エンジニアリング
最大3840×2160ピクセルの4K動画撮影に対応しています。撮影解像度は4K、2.7K、フルHD、HDから選択でき、フルHDでは最大60fps、HDでは最大120fpsの記録が可能です。静止画撮影にも対応しており、最大64MPの画素補間による画像を保存できます。
1.2 自動追跡や多彩な撮影モードを搭載
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出所:株式会社慶洋エンジニアリング
人物の顔を検出し、カメラの向きを自動調整する顔追跡機能も搭載しています。水平方向の追跡範囲は約325度で、撮影者がカメラを操作しなくても、人物の動きに合わせて構図を調整できる仕組みです。
動画撮影モードは通常撮影のほか、スローモーション、タイムラプス、ループ録画などを用意。静止画でもセルフタイマーや連写、インターバル撮影などを選択できます。日常の記録からスポーツの動作確認まで、1台でさまざまな用途に対応できそうです。
1.3 タッチスクリーンと三脚を備え、撮影スタイルも多彩
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出所:株式会社慶洋エンジニアリング
本体には1.7インチのタッチスクリーンを搭載しています。撮影中の構図を確認できるほか、解像度や明るさ、ホワイトバランスなどの設定変更も可能です。
物理ボタンも備えているため、撮影中によく使う操作はボタンで行い、細かな設定はタッチスクリーンから変更するといった使い分けができます。
さらに、三脚が標準で付属しているのも特徴です。手持ち撮影だけでなく、カメラを置いて自分の姿を撮影したり、一定の場所を継続して記録したりする使い方にも対応しています。
2. 手持ち撮影をレビュー! 左右の動きはなめらかだが縦揺れには注意
ここからは実際にレビューした感想を紹介していきます。
まずは、KEGS1を手に持ち、歩きながら撮影してみました。
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筆者撮影
使っていて便利に感じたのが、ボタン操作でカメラの向きを簡単に切り替えられることです。目の前の風景を撮影したあと、自分にカメラを向けて話すといった使い方もスムーズ。旅行先で景色を紹介しながら自分の姿も記録するVlogなどでは、重宝しそうです。
スマートフォンで動画を撮影する場合、端末の側面をつまむように持ったり、両手で支えたりすることが多くなります。その点、ジンバルカメラならグリップを握って構えられるため、片手でも安定した姿勢を取りやすいと感じました。
これはジンバルカメラ全体に言える特徴ですが、KEGS1は約164gと軽量なので、持ち運びや撮影時の負担も小さく感じました。長時間の撮影でも構えを維持しやすく、カメラを左右に向ける操作も自然に行えます。
一方、手ブレ補正については注意したい点もありました。
KEGS1が搭載しているのは2軸式のジンバルです。DJIなどの高機能なジンバルカメラでは3軸式が採用されており、制御できる方向に違いがあります。
そもそもジンバルの「軸」とは、カメラの回転方向を指します。一般的には、左右に向きを変える「パン」、上下に向きを変える「チルト」、左右に傾く「ロール」の3方向があり、3軸ジンバルはこれらの回転をモーターで制御します。
一方、2軸ジンバルでは制御する方向が限定されます。実際に撮影してみると、カメラを左右に振る際は動きがなめらかで、急に向きを変えても比較的自然な映像を記録できましたが、上下の揺れは映像に残りやすい印象でした。
歩きながらの撮影を行うなら、撮影時は歩幅を小さくしたり、膝を柔らかく使って上下動を減らしたりと、撮影者側にも工夫が必要になりそうです。
3. 三脚を使った定点撮影が便利! テニスのフォームチェックにも活躍
手持ち撮影では上下の揺れが気になった一方、使いやすいと感じたのが、付属の三脚を利用した定点撮影です。
今回は、テニスのフォームをチェックするためにKEGS1を使ってみました。
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筆者撮影
三脚を設置すれば、カメラを手に持つ必要がなく、歩行時のような上下の揺れも気になりません。自分の動きをあとから映像で確認したい場合、撮影者を別に用意しなくてもよいのは便利です。
また、KEGS1は縦向きと横向きの両方で撮影できます。撮影の目的に応じて構図を変えられるため、フォームチェック以外にも、ダンスや筋力トレーニングなどの記録に応用できそうです。スローモーション撮影ができることも、メリットでした。
スローモーションで、しっかりとフォームチェックができた7/8
筆者撮影
KEGS1の特徴である人物の自動追跡機能も試してみました。
カメラを固定した状態でも被写体の動きに合わせて向きを変えてくれるため、撮影者がいない状況で特に便利な機能です。
設定は簡単で、機能をONにすれば画面の中の追跡する人物を自動で認識してくれます。追跡もスムーズで、歩く程度の速さであれば違和感なく対象の人物を追いかけてくれます。
ただし、今回のテニス撮影では追跡が不安定になる場面がありました。被写体がカメラから離れると反応しにくく、常に人物を画面内に収められるわけではありませんでした。
縦向きにも対応。人物追跡は離れすぎたり、動きが激しかったりすると、反応しなくなることも8/8
筆者撮影
しっかりと機能を使いこなすなら、激しく走り回ったり、遠ざかったりしないシチュエーションで使うのがよさそうです。
4. Wi-Fi転送やループ録画など、撮影後の活用方法も豊富
KEGS1は、Wi-Fiを利用してスマートフォンと接続する機能も搭載しています。専用アプリを経由して、その場で簡単に写真や動画を転送できます。旅行中に家族や友人とすぐにシェアできるので、ぜひ使いこなしたい機能のひとつです。
また、少し毛色の異なるものとして、見守りカメラのような使い方も可能です。
録画データを一定の時間ごとに保存し、容量がいっぱいになると古いデータから上書きする「ループ録画モード」を搭載しているので、三脚と組み合わせて使えば常時設置して、映像を記録することができます。
異常検知通知や遠隔監視などは備えていないので、あくまで見守りカメラ風の使い方にはなりますが、旅行やスポーツなどの特定の目的以外にも活用できるというのは、コスパを意識する上で押さえておきたいポイントです。
5. KEGS1はどんな人に向いている?
KEGS1を実際に使ってみて感じたのは、撮影方法によって使い勝手の評価が大きく変わることです。
手持ち撮影では、カメラを左右に動かした際の映像がなめらかで、グリップの握りやすさも好印象でした。一方、歩行時の上下動は映像に残りやすく、手ブレ補正を重視する人には物足りない可能性があります。
それに対して、三脚を利用した定点撮影では、KEGS1の使い道が広がりました。今回のテニスのフォームチェックでは、スローモーション撮影が特に便利で、撮影した映像を振り返る用途との相性のよさを実感できました。
こうした特徴を踏まえると、KEGS1はジンバルカメラを初めて使う人や、旅行の記録、Vlog、スポーツのフォームチェックなど、複数の用途に活用したい人に向いていると感じました。
反対に、歩きながらでもできるだけブレの少ないクオリティ重視の動画を撮りたい人や、動く被写体を高い精度で追跡したい人は、3軸ジンバルを搭載した高機能な製品とも比較した上で購入を検討するのがよさそうです。
6. スマホを代用するものではなく、シーンで使い分けることが重要
WiFiデジカメは一眼レフやミラーレス一眼のような本格的な撮影機材とは役割が異なります。また、スマホの完全代用品になるものでもありません。
WiFiデジカメが提供するのは、写真を楽しむための「撮影方法の選択肢の幅」と「撮影をより楽しむことができる体験価値」です。
筆者は街歩きのレビューを通して、カメラを持ち歩く負担が小さくなることで、撮影する機会が増え、いろいろな用途をこなすスマホと比較して、より撮影に没頭することができました。
スマホカメラの進化は凄まじく、誰でも綺麗な写真を撮影することは簡単になりました。しかし、なんだか味気ない、もっと純粋に撮影を楽しみたいという気持ちを持っている人には、WiFiデジカメはおもしろい選択肢になるかもしれません。
7. トレンドウォッチャーのひとこと

ジンバルカメラを取り巻く市場環境を考えるうえで、避けて通れないのがスマートフォンのカメラ性能の向上です。
現在のスマートフォンは、4K動画撮影や高度な手ブレ補正に対応する機種も多く、日常の動画撮影であれば十分な性能を備えています。そのため、専用のカメラを購入する理由は、単純な画質の違いだけでは説明しにくくなっています。
そこで重要になるのが、撮影のしやすさと、撮影方法の選択肢です。例えば、スマートフォンでも三脚を用意すれば定点撮影は可能ですが、撮影中は端末をほかの用途に使いにくくなります。また、人物を追いかけながら撮影する場合、スマートフォン単体では撮影者が構図を調整する必要があります。
ジンバルカメラには、撮影専用のグリップや機械式のカメラ制御機構があり、製品によっては自動追跡も利用できます。スマートフォンとは異なる操作性や撮影スタイルを提供できることが、専用機としての価値につながっています。
今回のレビューでは、手持ち撮影よりも三脚を使った定点撮影で、その価値を実感できました。スローモーション撮影やWi-Fi転送を組み合わせれば、スポーツのフォームチェックから撮影データの共有まで、1台で完結できる場面もあります。
今後、低価格帯のジンバルカメラが存在感を高められるかどうかは、上位機種との性能差をどこまで縮められるかだけでなく、価格に見合った具体的な使い道を提案できるかにも左右されそうです。
参考資料
大蔵 大輔