生命保険料控除証明書は届いているでしょうか。

毎年10月くらいに生命保険会社から送付される生命保険料控除証明書は、年末調整や確定申告で使用する大切な書類です。紛失すると税金で損をすることもあるため注意が必要です。

本記事では、生命保険料控除証明書を無くしたときの対象法について解説します。

生命保険料控除でどれだけ税金が安くなるかも紹介しますので、税金に関する基本知識として確認しておきましょう。

1. 生命保険料控除証明書を無くしたときの2つの対処法

年末調整で生命保険料控除を受けるためには、会社に生命保険料控除証明書(以下、控除証明書)を添付して年末調整書類を提出しなければなりません。

控除証明書を紛失した場合、次の2つの方法で入手しましょう。

  • 生命保険会社に再発行申請する
  • マイナポータル連携サービスを利用して控除証明書データを取得する

それぞれの方法について解説します。

2. 対処法①:生命保険会社に再発行申請する

対処法の1つ目は、加入している生命保険会社に再発行を依頼することです。

生命保険会社は、毎年10月頃から翌年3月頃までにかけて再発行を受け付けてくれるのが一般的です。再発行の申請方法は生命保険会社によって異なりますが、主な方法は次の3つです。

  • 電話申請:コールセンターなどに電話連絡して再発行を依頼
  • 担当者に連絡:保険加入時の担当者またはアフターフォロー担当者に再発行依頼
  • インターネット申請:ご契約者専用サイト(マイページ)などで再発行申請

電話申請や担当者への再発行依頼の場合、郵送や担当者のお届けとなるため一定の時間がかかります。

年末調整直前に再発行しても間に合わないケースもあるため、時間に余裕を持った対応が必要です。

一方、インターネット申請の場合、即時にデータなどで再発行してもらえる可能性もあります。

3. 対処法②:マイナポータル連携サービスを利用して控除証明書データを取得する

近年、年末調整や確定申告の手続きにおいて電子データの活用が進んでいます。マイナポータル連携サービスを利用して、控除証明書の電子データも取得できるようになりました。

勤務先が対応していれば、紙面の控除証明書の代わりに電子データを勤務先に送信することも可能です。対応していない場合は、国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」を利用してQRコード付きのPDFに変換し自分で印刷して会社に提出します。

QRコード付証明書等作成システムで作成できる帳票1/3

QRコード付証明書等作成システムとは

出所:国税庁「QRコード付証明書等作成システムについて」

ここまでは、生命保険料控除証明書を紛失したときの対処法について解説しました。次章では、生命保険料控除の仕組みと生命保険料控除で安くなる税金について解説します。

4. 生命保険料控除の仕組み

生命保険料控除とは、納税者が生命保険料などを支払った場合に、一定の金額を所得から差し引くことができる所得控除の一つです。

所得控除によって課税所得が低くなり、所得税や住民税の負担が軽減されます。

所得控除される金額は、新契約(契約始期が2012年1月1日以後)と旧契約(契約始期が2011年12月31日以前)で異なります。契約始期や保険の種類によって、最大で次の所得控除が受けられます。

生命保険料控除2/3

生命保険料控除

出所:国税庁「No.1140 生命保険料控除」

4.1 新契約の場合

  • 一般生命保険(死亡保険など):4万円
  • 介護医療保険:4万円
  • 個人年金保険:4万円

4.2 旧契約の場合

  • 一般生命保険(介護医療保険を含む):5万円
  • 個人年金保険:5万円

新契約では最大12万円、旧契約では最大10万円の所得控除が受けられます。

また、住民税については、新契約も旧契約も所得控除額は最大7万円です。

5. 【早見表】生命保険料控除で安くなる税金シミュレーション

生命保険料控除による所得税や住民税の軽減額は、課税所得によって異なります。

生命保険料控除が10万円の場合、税金の軽減額は課税所得によって次の通りです。住民税率は10%とします。

生命保険料控除による税金の軽減額3/3

生命保険料控除による税金の軽減額

出所:筆者計算・作成

5.1 課税所得300万円(所得税率10%)のケース

  • 所得税の軽減額:1万円
  • 住民税の軽減額:7000円
  • 合計:1万7000円

5.2 課税所得500万円(所得税率20%)のケース

  • 所得税の軽減額:2万円
  • 住民税の軽減額:7000円
  • 合計:2万7000円

5.3 課税所得800万円(所得税率23%)のケース

  • 所得税の軽減額:2万3000円
  • 住民税の軽減額:7000円
  • 合計:3万円

5.4 課税所得1000万円(所得税率33%)のケース

  • 所得税の軽減額:3万3000円
  • 住民税の軽減額:7000円
  • 合計:4万円

6. まとめにかえて

年末調整で生命保険料控除を受けるためには、生命保険料控除証明書が必要です。

控除証明書を紛失した場合、生命保険会社に再発行申請するか、マイナポータル連携サービスを利用して控除証明書データを取得しましょう。

生命保険料控除によって、新契約では最大12万円、旧契約では最大10万円の所得控除が受けられます。控除証明書を添付して年末調整しないと所得控除は受けられない(または確定申告が必要である)ため、紛失した場合は早めに対処しましょう。

参考資料

西岡 秀泰