「ランチミーティング」で奪われる息抜き

夜の残業量などが減少したことと反比例して「ランチミーティングの回数が増えた」という企業も少なくありません。仕事関連のランチミーティングに関しては、

「楽しいランチだと思ったことは一度もありませんね」
「気を遣わなきゃいけないしめんどい」
「飲み会よりはマシだけど、ランチミーティングも無駄」

などの声があり、「昼休み=休憩の時間」と感じていない人も多いようです。

また、法的にも、特に強制でのランチミーティングは、かなりのケースで「休憩時間」ではなく「労働時間」に該当すると考えられます。本来、「休憩時間」は、基本的に労働者が自由に使えるものでなくてはならないからです。そのため、厳密にいえば、強制でランチミーティングをする際には、それとは別に法定の「休憩時間」の付与が必要になる可能性が高いのです。

形だけの「働き方改革」で起こる弊害

もちろんサボりはよくありませんが、一定時間の労働の中で集中力を発揮するためにも、適切な休憩は必要です。また、「休憩時間」は、法的にも保護された労働者の権利でもあります。もしも「仕事が終わらないから」「人手不足だから」という環境で休憩がとれないなら、会社としてもその状況の見直しや改善をするべきでしょう。

「働き方改革」の取り組み自体は良いものです。ただ、「働き方改革」として「残業禁止」などを目標として掲げるものの、ワークフローの改善や業務削減など根本的な解決を行っていない会社は少なくありません。

仕事の能力不足であれば、働く側も能力を高めていく必要がありますが、普通の仕事能力を持った人でも終わり切れない量の仕事を回しているという状況も多いと思われます。もしそうした仕事が、「休憩時間の削減」「タイムカードの虚偽申告」「持ち帰り残業」などの形で、結果的に個人に押し付けられるような、「働き方改革のしわ寄せ」が存在しているのであれば、早急に何らかの手を打つことが必要だといえます。

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