株式市場の振り返り-日経平均株価は3日続落、一時▲611円安の急落再び

2018年12月6日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,501円(▲417円、▲1.9%) 3日続落
  • TOPIX 1,610.6(▲29.8、▲1.8%) 3日続落
  • 東証マザーズ総合指数 980.9(▲31.1、▲3.1%) 3日続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:253、値下がり銘柄数:1,828、変わらず:38
  • 値上がり業種数:0、値下がり業種数:33
  • 年初来高値更新銘柄数:4、年初来安値更新銘柄数:221

東証1部の出来高は15億1,021万株、売買代金は2兆7,165億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。朝方に中国の通信機器最大手ファーウェイのCFO逮捕の報道が流れ、これにより米中貿易摩擦の拡大懸念が再燃し、一気にリスクオフモードが高まりました。

ただ、休場だった米国市場の動きを見極めたいという様子見スタンスの投資家も多かったようです。売買代金は2兆7,000億円に達するなど相応の水準となりました。

そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏で推移しました。寄り付きから徐々に下げ幅を拡大し、後場の半ばには一時▲611円安まで急落して21,500円台を割り込む場面も見られました(11月22日以来)。その後やや戻して終値で21,500円台を維持したものの、大幅安となる3日続落となっています。

ちなみに、このわずか3日間で終値ベースは▲1,073円も下落しました。

なお、TOPIXも同じような値動きで3日続落となり、取引時間中には11月21日以来の1,600ポイント割れの場面も見られています。

東証マザーズ総合指数は急落で3日続落、売買代金は4日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,706万株、売買代金は843億円となり、いずれも前日より増加しました。大型株式市場の“ファーウェイ・ショック”が新興市場にも波及し、利益確定売りや投げ売りが優勢になりました。それでも、売買代金は4日連続で1,000億円を下回っています。

また、総合指数は▲3%超安の急落となり、終値で1,000ポイントを割り込みました。1,000ポイント割れは6日ぶりでしたが、今後は個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

大規模通信障害のソフトバンクGが急落、TDKやロームなどハイテク株で急落が相次ぐ

個別銘柄では、主力大型株が軒並み大幅安となりましたが、ソフトバンクグループ(9984)が一時▲5%超安の急落となったのが目を引きました。なお、同社は大規模な通信障害を起こしましたが、株価下落とは直接の関連性はなさそうです。

また、電子部品株や半導体関連株を中心にハイテク株で急落が相次ぎ、TDK(6762)、ローム(6963)、SUMCO(3436)、太陽誘電(6976)が▲6%超安になったのを始め、村田製作所(6981)、アルプス電気(6770)、東京エレクトロン(8035)なども大幅安となっています。さらに、ソニー(6758)、三菱電機(6503)、パナソニック(6752)なども大幅安で引けました。

その他では、前日買われた医薬品株も総じて大きく売られ、エーザイ(4523)が▲6%超安の急落となり、大型買収が正式決定した武田薬品工業(4502)は年初来安値を更新しました。

一方、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が大幅な逆行高となり、セブン&アイ・ホールディングス(3382)やイオン(8267)なども小幅上昇ながら逆行高となりました。

その他、数少ない値上がり銘柄の中では、IHI(7013)が大きく値を上げ、ヤマトホールディングス(9064)も堅調に推移したのが注目を集めたようです。

新興市場(東証マザーズ)では、ユーザベース(3966)が一時▲15%超安、キャリア(6198)が一時▲13%超安、マネーフォワード(3994)が一時▲14%超安になる暴落となりました。また、サンバイオ(4592)は小幅続落、CYBERDYNE(7779)は急落して5日続落となり、連日で年初来安値を更新しています。

葛西 裕一