みなさんは「私の育児って、これでいいのかな?」と悩んだ経験はありませんか。子どもの将来を真剣に考えているからこそ、気持ちがブレたり方針を見失ったりすることもあるかもしれませんね。

「今のままで心身ともに豊かに育つだろうか?」とか「これで子どもの可能性を広げてあげられるだろうか?」といった葛藤は、多くのママが抱くようです。実際のママたちの声をご紹介します。

ワーキングママが抱く葛藤

育児に対する葛藤でよく聞くのが、仕事との両立についてのエピソードです。筆者の周囲のママたちも、こんなふうに話しています。

「朝『ママがいい~』と泣かれると、子どもにこんな思いをさせてまで仕事をする意味ってあるのかな?と考えてしまうことがあります。幸い私が辞めてもなんとか生活が成り立つだけに…働きたいなんて私のエゴなんだろうかと悩んでしまうんです」

「保育園から帰ると急いでご飯を作り、そこから寝かしつけまで毎日怒涛のスケジュールです。子どものためには早く寝かせたほうがいい気もするし、でももっと子どもとの関わりを持ったほうがいい気もするし、何が正解なのか分かりません」

「自分が働くことで、子どもの生活リズムが乱れてしまうのが気になります。ちゃんと背が伸びるかな?とか気になって。自分の生活のために子どもの生活が犠牲になるなんて…」

筆者も産後仕事を始めてから今日までの間、働くことについて何度も悩んできました。今は心から「仕事を続けてきてよかった」と言えるのですが、辞めようと思ったことは1度や2度ではありません。

一方、専業主婦のママもこんな悩みを抱えているそうです。

「いつもなんとなく時間をやり過ごしているので、もっといろいろ経験させてあげたほうがいいのか悩むことがあります。保育園に行っている子たちは、毎日お水遊びをしたり工作したり粘土をしたり、さまざまな遊びをしていると聞きました。家でひとりだと、なかなかそこまでできなくて…」

育児情報があふれている時代ゆえの葛藤

ひとり1台スマホを持っているのが当たり前になってきている現代、困ったことがあってもすぐに調べることができます。とても便利な反面、ママたちの悩みの種になることもあるようです。

「たまに『~は○歳までにしたほうがいい』という情報を目にすることが…そのとき、うちの子もうとっくにその年齢過ぎてるけど。もう取り返しがつかないのかな?と、不安になることがあります。これまでしてきた育児を否定されたみたい」

「部屋もキレイに片付いて、おいしそうな料理をたくさん作って、身だしなみも整っていて、子どもとゆったり暮らしている。そんなママを見かけることが増えて、どんどん自分の育児に自信がなくなってしまいます。器用じゃなくてごめんね…って思っちゃう」

「夜泣きがひどくて私がボロボロだったので、1歳ちょうどで断乳しました。でも、『断乳より卒乳がいい』っていう助産師さんの意見も多く目にして。泣いて母乳をほしがる子どもを前に、わが子より睡眠を優先する私ってひどい親?もう少し頑張ればよかったの?と、断乳することが正しいのか分からなくなりました」

「でも『一度断乳を始めたら、気持ちをしっかり持って。また授乳すると、子どもが混乱する』という情報もあり、後にも引けず…身動きが取れないのに目の前で泣く子ども。今でも、断乳は私の我慢が足りなかったのでは?と自分を責めることがあります」

まじめなママが抱きやすい葛藤

「離乳食は手作りにこだわってきたけど、どうしても時間がかかってしまいます。途中、子どもが寂しがって泣くことも。手作りした食事で愛情を伝えたいと思っているけど、子どもはそんなこと求めていないのかもしれません。私の自己満足なのかな」

「ベビーフードを上手に併用すればいいのですが、後ろめたい気持ちになってしまうんです。でも最近は、料理を頑張るママと市販のベビーフードを利用し時短して思いっきり子どもと遊ぶママ、どちらがいい親かなんて言えないと思ってきました」

「2歳前のイヤイヤがすごくて…義母に『カンシャク持ちね』と言われるたびに、責められているような気分になりました。私に余裕がなくてイライラした時期があったので、そんな私の姿を見て似てしまったのかな?と申し訳ない気持ちでいっぱいだった時期があります」

「私が教えたことで子どもの基礎ができると思うと、毎日のように『これで大丈夫かな』と自問自答しています。何があったわけじゃなくても、子育てって常に“小さい決断”をせまられる。この選択でよかったのだろうかと考えることばかりです」

子育ての理想にとらわれないで

育児情報を見ると子育ての基本や理想が書かれていますが、それがどの子どもにとっても正解とは限りませんよね。まして、子育てに成功や失敗なんてあるのでしょうか。仮にあるとしたら、基準は何でしょう。子どもに幸せになってほしいと願い、悩みながらも日々奮闘している。それだけで「自分は充分素敵なママだ!」と自信を持ってみませんか?

桜井 まどか