世界のお金持ちは何に投資をしているか

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日本では資産をたくさん持っている人のことを「お金持ち」と一言で言ってしまうことも多いのではないでしょうか。「お金持ち」がどのようにして「お金持ち」になったのかも気になりますが、一方でそうしたお金持ちがどのような資産に投資をしているのかも気になります。今回は世界のお金持ちがどのような資産に投資をしているのか「財布の中身」を見ていきましょう。

世界のお金持ちの定義とは

世界の「お金持ち」については日本では良く知られていないというのが実際ではないでしょうか。今回は仏コンサルティング会社キャップジェミニの「World Wealth Report 2018」を参考にしながら世界のお金持ちはどのような資産に投資をしているのかを見ていきましょう。

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世界では「1百万米ドル(約1億円)以上の投資資産を保有」する人たちのことをHNWI(High Net Worth Individual、ハイ・ネット・ワース・インディビジュアル)と呼んでいます。いわゆる「富裕層」といってよいかもしれません。

ただし、この投資資産の中には個人所有の住居、コレクション(蒐集品)、消耗品、耐久消費財は含まれていません。あくまでも金融商品などの投資可能な資産となります。日本人は自分が主として住む住居に投資をすることがよくありますが、そうした不動産はHNWIを定義する際に織り込む資産には含まないというのが注意が必要です。

世界のお金持ちの投資ポートフォリオの中身とは

キャップジェミニによる同調査によれば、2018年第1四半期(Q1)におけるHNWIの金融資産の構成は以下の様になっています(全体を100%)。

  • 株式:31%
  • 現金及び現金同等物:27%
  • 不動産(住居を除く):17%
  • 債券:16%
  • オルタナティブ投資:9%

構成比については、2017年Q1対比でいうと、不動産が上昇し、それ以外の資産の比率が低下する傾向となっています。オルタナティブ投資には、ヘッジファンド、デリバティブ、外国為替、商品、プライベート・エクイティ(未上場株式)を含んでいます。

ざっくりいえば、値上がり益を期待する株式を約3割、配当などを期待できる不動産と債券を合計して約3割、手元の流動性を意識した現金等を約3割、そして残りがオルタナティブ投資が約1割という構成でしょうか。

日本のお金持ちは何に投資をしているのか

一方で、日本のHNWIは何に投資をしているのでしょうか。同様に見ていきましょう。

  • 株式:30%
  • 現金及び現金同等物:45%
  • 不動産:11%
  • 債券:10%
  • オルタナティブ投資:5%

日本のHNWIの資産の構成比と世界のそれと比べると、株式は同程度の比率ではありますが、現金などの保有比率がやたら高いというのが特徴です。日本人の現金保有比率が高いことはよく知られていますが、不動産や債券といったインカム重視の資産の比率も少なくなっています。

日本人の金持ちはなぜ現金を持つのか

こうしてみると、「日本人は利子や配当が好き」という見方もあったかと思いますが、同調査の結果だけを見ればそれも必ずしも当てはまるわけではなく、「流動性」をもっとも重視していると言えます。

とはいえ、日本は一般的には治安や金融インフラも含めていわゆる「安全な国」であり、いつでも金融機関から現金を引き出すことができます。また、よほどの新興国の株式市場の株式を購入していなければ株式等の売却も可能でしょう。ここまで流動性を重視する必要性があるのかは疑問です。

その他に考えられる背景としては、金融リテラシーが不足していることや、高齢化が進み老後に必要なお金がどれくらい必要なのかわからない中「資産を減らしたくない」という思いが反映された結果かもしれません。

青山 諭志

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ニュースレター

慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット動向、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄や投資といった個人の資産運用動向を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。