職場の嫉妬はなぜ起こる?嫉妬されたとき、したときの対処法と予防策まとめ

はじめに

人間である以上、嫉妬心から逃れることはできません。そんなネガティブな気持ちとは無縁に生きていきたい、と願っても、つい他人の成功や幸福にイラついてしまう。人間とはそういう風にできているものです。

職場であっても、複数の人間が働いている以上、嫉妬と無縁ではありません。とはいえ、できるならば職場でのトラブルは避けたいもの。この記事では、自分の嫉妬の気持ちを良い方向に向ける方法や、他人に嫉妬をされにくくする方法などについて、まとめています。

目次

1. 職場の嫉妬はなぜ発生する?
2. 女性が多い職場で起こりがちな嫉妬のトラブル
3. 職場では多い?男性の嫉妬
4. 女性に嫉妬する男性の心理。職場トラブルに要注意
5. 職場で発生する嫉妬に対処するには
6. 他人からの嫉妬を予防して、職場生活を快適に
7. 職場の嫉妬を上手にコントロールすると、出世する?

1. 職場の嫉妬はなぜ発生する?

そもそも、人はなぜ嫉妬するのでしょうか。多くの人は、できればネガティブな感情は抱かずに生きていきたいと願っているはずなのですが、現実には、他人に嫉妬をしたり、嫉妬をされたりといったことが、あちこちで起こっています。

残念ながら、嫉妬の気持ちが湧くのは、人間として自然なことといえます。しかし嫉妬心に振り回され、心の赴くままに行動してしまうと、周囲に迷惑をかけることになりかねません。また、ときには自分自身の生活を脅かしてしまうこともあるでしょう。そういったことを避けるためにも、自分の中に他人に対する嫉妬の気持ちが生まれても、それをある程度コントロールできるようになっておくことが望ましいと言えます。

嫉妬心が生まれやすいシチュエーションとしては、自分と同じくらい、もしくは下のレベルと思っていた人が、「自分より上の立場になった。」と感じるときが多いようです。

例えば、以下のような例が挙げられます。
・職場の同僚や後輩、同じ年齢の友人に恋人ができた。
・職場の同僚や後輩、同じ年齢の友人が先に結婚した。
・職場の同僚や後輩、同じ年齢の友人が、先によいポストに就いた。

この場合、重要なポイントとしては、何か状況に変化があったのは職場の同僚や友人であって、自分の状況は何ひとつ変わっていないという点です。ただ、自分と同じくらい、もしくは下のレベルだと思っていた人が成功したことで、相対的に自分の立場が下に下がり、あたかも不幸になってしまったかのように感じることがあります。これが嫉妬の原因です。

これは、自己評価(人が自分自身に対して下す評価)が、他人と自分の比較に大きく影響されるものであり、そして、その自己評価は、私たち人間の感情のあり方を大きく左右するものであるということを示しています。「それならば、下手に自己評価なんてしないほうがいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、そういうものでもありません。というのも、一般的に、自己評価がはっきりしている人、つまり自分に自信がある人は、並大抵のことでは、他人に嫉妬心を抱かない傾向にあるからです。

自己評価が不安定な人ほど、嫉妬心に振り回されてしまうのかもしれませんね。

2. 女性が多い職場で起こりがちな嫉妬のトラブル

嫉妬と聞くと、女性的な感情というイメージを持つ人が多いようですが、それはあながち間違いではありません。というのも、女性が多い職場では、嫉妬が原因の人間関係のトラブルが発生することが多い傾向にあるからです。

では、特に女性が嫉妬の気持ちを抱きやすいシチュエーションについてみてみましょう。

・相手が自分にないものを持っているとき
一般的に、女性は男性に比べ、自分にないもの、例えば、「自分よりも優秀。」「自分よりも上司に気に入られている。」「自分よりも異性から人気がある。」といった、いわゆる「持っている人」を見ると、自分と相手に差に劣等感を感じ、多かれ少なかれ嫉妬心を感じてしまう人が多いといわれています。

ただ、ひとつ注意したいのは、自分よりも「持っている」人すべてに対して、その気持ちをぶつけてしまうわけではないという点です。例えば、誰もが美しいと認める女性が、多くの異性にちやほやされているのを目の当たりにしたり、誰もが仕事ができると認めた人が、自分より早く出世したとしても、素直に「うらやましい。」と思う人のほうが多いですよね。

では逆に、自分よりイケていないと思っていた人の彼氏が、ものすごいイケメンだったらどうでしょう?また、自分より仕事ができない同僚が、先輩に気に入られて楽しそうに仕事をしていたら?「なぜこの人が。」という気持ちが、わいてくるのではないでしょうか。つまり、嫉妬心が大きく燃え上がるのは、自分と同等、もしくは下だと思っていた相手が、自分にないものを持っていたときなのです。

・自分の物が奪われそうになったとき
例えば、他の女性に、自分の彼を奪われそうになると、多くの女性は不安になり、自分の彼に近づく女性に対して「許せない」という感情を抱きますよね。

では、自分が、職場で仕事に打ち込んで実績を積み、上司や同僚からの信頼も獲得しているような状態を想像してみましょう。そこに、仕事もでき、上司からの期待も高く、同僚たちとも分け隔てなく接することができる、そんな完璧ともいえる女性社員が突然配置されたとしたらどうでしょうか。多くの人が、「自分が今まで必死に築いてきた地位を奪われてしまう」という不安に襲われるのではないでしょうか。そして、それが、嫉妬という感情につながってしまうこともあるのです。 

3. 職場では多い?男性の嫉妬

「嫉む」「妬む」、どちらも女偏を持つ漢字だけに、嫉妬は女性特有の感情だと思っている人も多くいるようです。しかし、同じ人間である以上、男性だって嫉妬をします。そしてそれは、時に「女の嫉妬」以上の怖い結果をもたらすこともあります。

一般的に、男性はプライドが高い生き物といわれています。こと仕事に関していえば、女性とは比べ物にならないほどメンツや名誉、社会的に地位にこだわる人も多いようです。中には、自分の地位を脅かそうとする相手に対しては警戒し、脚を引っ張り、蹴落とすことを厭わないという人も現れてきます。

これは、女性は協調性を大切にし、みんなと仲良くすることを大切にするように育てられるのに対し、男性はグループのトップになることを望まれて育つことに起因しているといわれています。男性は、常に競争にさらされてきたがゆえに、自分のポストを脅かしそうな存在には容赦がなくなる傾向があります。ドラマなどでよく見る、優秀な部下をつぶそうとする男性上司、というのは、この典型的な例といえます。

また職場は常に評価される場ですから、この傾向がさらに顕著になるのかもしれません。

4. 女性に嫉妬する男性の心理。職場トラブルに要注意

嫉妬は同性同士の間でのみ起こるものではありません。異性間でも嫉妬が生まれることは往々にしてあります。特に職場で起こりがちなシチュエーションとしては、仕事ができる女性に対し、男性が嫉妬心を覚えるというものです。

男女平等が叫ばれて久しい現代ですが、まだまだビジネスの現場は男性優位です。「男尊女卑」の考えを持っている男性も、実は珍しくなく、男性本人が無意識のまま、女性を一段下の存在だと思っている場合もあります。

残念なことですが、「同僚の女性が自分より仕事ができる」「自分より上司に目をかけられている女性社員がいる」ことに不快感を覚える男性は一定数存在します。こういった男性は、自分より下の立場の女性や、仕事があまりできない女性に対してはむしろ親切な場合が多いのですが、自分よりも上の立場になった女性に対しては、「自分より下の存在が、自分を押しのけた。」と感じ、嫉妬心を感じてしまうのでしょう。

「女の癖に」「女なのに生意気だ」と思っている男性も少なからずいます。自分よりも上の立場に立った女性社員に対して、男性社員が嫉妬心を抱えているだけならまだ害はありませんが、場合によっては嫉妬をするあまり足を引っ張ろうとしてしまうこともあります。

女性社員はそのことをを念頭におき、職場では女性だけでなく、男性に対しても、細やかな心配りを忘れないようにしたほうが良いのでしょう。特に、キャリアを積んで出世コースに乗っている女性社員ほど、男性からの嫉妬心への対処法を知っておく必要があるのかもしれません。

5. 職場で発生する嫉妬に対処するには

できることなら、職場では嫉妬など関係なく、穏やかに過ごしたいものですが、実際はそう上手くいきません。思わぬ人から、嫉妬を向けられてしまうこともあるからです。自分に向けられた嫉妬から身を守るために、他人の嫉妬心を上手く回避する方法を知っておきましょう。

・嫉妬されることを必要以上に恐れない
とにかく目立つことなく過ごしていけば、他人からの嫉妬を回避することは可能ですが、いるのかいないのかわからないような存在になることにばかり神経を使っていては、何のために会社に来ているのか分からなくなってしまいます。まずは自分らしく過ごせるように努め、ある程度の嫉妬心は受け入れる覚悟を持ちましょう。そのうえで、周囲に嫉妬しやすい人や、嫉妬心をあらわにする人がいるときは、できるだけ距離を取るようにするのがおすすめです。職場内であれば、例えば、仕事以外の私語を避ける、会話を振られても深入りしないようにする、といった対処が考えられます。

・物事を多面的にとらえるように訓練する
あからさまに他人に嫉妬心を示されると、自分が悪いような気分になって、落ち込んでしまうこともありますが、例えば、「自分は悪くない、嫉妬してくる相手が悪い」と考えると、随分気持ちが楽になるということもありませんか?嫉妬されているという事実を、様々な方向からとらえることも大切です。

例えば、「他人に嫉妬されているということはそれだけ自分が優れているということだ。」と考えれば、自分の自信につながりますし、むしろ相手に対して、同情の気持ちすら感じることができるようになるかもしれません。

このように、ひとつの物事を多角的に捉えるように訓練しておくことで、他人から嫉妬心をあらわにされたときに、その場を収めるような行動がみえてくるかもしれません。

6. 他人からの嫉妬を予防して、職場生活を快適に

嫉妬をされてしまったときの対処も必要ですが、ある程度予防をすることも大切です。
以下、いくつか予防策の例を挙げてみます。

・むやみに自慢話をしないように心がける
何か嬉しいことがあれば、周りに言いたいという気持ちは当たり前のことですが、相手によっては、自慢話ととらえられて、不快な気分にさせてしまうこともあるかもしれません。特に気をつけたほうがよいのは、配偶者や子供についての話題です。というのも、相手が独身者や、なかなか子供に恵まれない人などだった場合、受け取り方が全く変わってくる可能性があるからです。事務的な報告ならばいざ知らず、日常会話をするときは、自分にとって嬉しい話題ほど、自分からはその話を振らないようにするのが賢明かもしれません。

・敢えて自分の失敗談も話す、弱みを見せる
そもそも、人間はあまり弱みを見せたがらない生き物です。このため、失敗談や自分の弱みについては、あまり話さないという人のほうが多いのではないでしょうか?しかし、一般的に、あまりに隙がない人は、何もかもが恵まれていると思われて反感を買いやすい傾向にあります。あえて自分から弱みを見せ、相手よりも劣っているところがあると示しておくことで、相手の嫉妬の対象から外れることができるかもしれません。

・嫉妬心が強い人には近づかない。
負けず嫌いで自己アピールが強い人は、他人と自分の線引きが上手くできないために、嫉妬心が強い傾向にあるといわれています。こういった人が職場にいるなら、ちょっとした日常会話にも嫉妬の材料を見つけてくる可能性もあるでしょう。上手く対処する自信がない方には必要以上に会話を持たないことをおすすめします。一緒に仕事をせざるを得ない場合は、仕事以外の私語は慎み、相手が振ってきた話題もやんわり流すなど、できるだけ深入りしないように心がけるとよいかもしれません。

7. 職場の嫉妬を上手にコントロールすると、出世する?

これまでは、他人から嫉妬を受けた場合のことについて述べてきましたが、今度は、自分が他人に対して、嫉妬心を抱いてしまった場合について考えてみましょう。

心理学では、嫉妬は、以下の2つの種類に分けられています。
・エンビー型嫉妬
相手を消してしまいたいという攻撃的な気持ちや、相手の不幸を喜ぶ気持ち

・ジェラシー型嫉妬
負けた相手を抜き返したいという気持ち

エンビー型嫉妬は、周囲の迷惑になる行動となって現れることが多いですが、ジェラシー型嫉妬のほうは、自分を成長させる心理的な原動力とすることができるともいえます。嫉妬心は、人間である以上、自然に湧き出てくるもので、なくすことはできませんが、自分の中の嫉妬心をジェラシー型嫉妬に変えることで、自分自身をよりよい方向にもっていくことが可能であるといえます。

自分の中の嫉妬心を、ジェラシー型嫉妬へと変えるには、高い場所から自分を客観的に見るようにしてみましょう。まずは、自分の嫉妬心を分析し、相手のどこに嫉妬しているのかをはっきりさせるのです。

例えば、職場の同僚が出世したとき、多少なりとも嫉妬心を覚えるのは、別におかしなことではありません。その際に、自分自身が「同僚の出世に嫉妬している。」と認識することができれば、自分が求めているのは、同じような出世なのだと分かります。そうしたら、あとはその未来に向かって、積極的に取り組んでいけばよいのです。

一般的に、自分が求める未来の姿がはっきりしている人は、無暗に他人と自分を比較して嫉妬心に惑わされることが少ないといわれています。これは、目標がはっきりしている人は、その目標に対して、自分がどこまで到達できているかという点も認識しやすいために、自己評価が安定している傾向にあるからです。さらに、前向きに頑張っている自分を認めてあげることで、自然と自信もわくでしょう。

そういったことを繰り返すことで、他人に対する嫉妬心も、自分自身の成長の糧としていくことができるのです。何もせずに同僚や部下を羨むのではなく、嫉妬する気持ちを上手にコントロールしながら努力を続ければ、良い結果は自然とついてくるのではないでしょうか。

おわりに

複数の人間が一緒に仕事をしている以上、職場での嫉妬心は防げません。嫉妬は単なる個人の感情を飛び越えて、足の引っ張り合いや人間関係のトラブルに発展することもあります。大切なのは、集団の中での行動には、嫉妬がつきものという事実を知っておくことです。その上で、自分自身の中の他人に嫉妬する気持ちを上手にコントロールし、他人の嫉妬心を煽るような行動を控えるように心がけることが、職場内での穏やかな人間関係を保つ秘訣といえるかもしれません。

LIMO編集部

参考記事

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LIMO編集部は、個人投資家向け金融経済メディアであるLongine(ロンジン)の執筆者である国内外大手証券会社で証券アナリストや運用会社のファンドマネージャーとして長年の調査や運用経験を持つメンバーやビジネス系インターネットメディアでの運営経験者等を中心に構成されています。国内のみならずグローバルの視点から、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報をわかりやすくお届けします。