2. 年収400万円台の世帯は手取りからいくら貯蓄している?

では最後に、年収400万円台(年収300〜500万円未満)の年間手取り収入からの貯蓄割合について紹介していきます。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」によると、年収300〜500万円未満の年間手取り収入からの貯蓄割合は下記の結果となりました。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」

年間手取り収入からの貯蓄割合として多かったのは「10~15%未満」の18.9%。次いで「5~10%未満」の12.5%となっています。

上記から、年収400万円台世帯の3割以上が、手取り収入から「約5〜15%」の割合で貯蓄をしていることがうかがえます。

しかしその一方で、38.9%の人が「貯蓄しなかった」と回答。約3世帯に1世帯は貯蓄ができていない状況がわかりました。

老後の貯蓄や教育資金は大きなお金となるため、日々の積み重ねで貯蓄をしていくことが大切となります。

今一度、ご家庭の貯蓄割合を見直し、「老後に必要な資金」や「子どもの教育に必要な資金」をシミュレーションして、毎月どのくらい貯蓄すべきかを検討できると良いでしょう。

3. まとめにかえて

「年収400万円~450万円世帯」と「年収450万円~500万円世帯」それぞれの平均貯蓄額は、「850万円」と「901万円」であることが分かりましたが、負債を差し引いた「純貯蓄額」をみると、どちらも200万円台です。

老後の必要資金や、いくらあれば安心できるかは世帯により異なりますが、長い老後生活を迎える資金としてはやや心もとないといえるでしょう。

一般的に、老後は年金が支給されるとはいえ、国民年金は5万円台、厚生年金は14万円台とそれぞれ十分とはいえない水準です。

年金収入に頼り過ぎない資金計画を立てておく必要があるでしょう。

参考資料

荻野 樹