FXとはなにか?株式や投資信託の違いを解説

FXは外貨を購入・保有・売却することで利益をねらう金融商品です。

金融庁では以下のように定義されています。

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外国為替証拠金取引は、証拠金を差し入れて、日本円と米ドルなど、2つの国の通貨の為替相場を予測して売買を行う金融商品です。外国為替を英語で“Foreign Exchange”と表すことに由来して、外国為替証拠金取引は、通称、「FX」などと言われます。
出所:金融庁「外国為替証拠金取引について」
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FXでは2つの通貨をペアとして取引します。

たとえば、円と米ドルのペアであれば以下の取引が可能です。

  • (円を売って)米ドルを買う
  • (円を買って)米ドルを売る

FXでは2種類の利益が期待できます。

1つは「為替差益」です。

1ドル=150円など、円と外貨の交換比率(取引価格)のことを為替レートといいます。

為替差益とは、この為替レートの変動により生じる利益のことです。

たとえば、1ドル=100円の時に1米ドルを購入したとしましょう。

その後、1ドル=150円に変動したタイミングで売却すれば、50円の利益が生まれます。

これが為替差益です。

出所:LIMO編集部

FXで狙える2つ目の利益は「スワップポイント」です。

スワップポイントは外貨を購入(あるいは売却)してから反対売買によってポジションを手仕舞うまでの期間毎日発生します。

取引する通貨ペアのうち、購入する金利の方が高ければ利益に、より低ければ損失(支払い分)となります。

出所:LIMO編集部

株との比較では、投資対象が異なります。

株は企業が発行する有価証券であり、投資家はこれを購入することで企業に資金を提供します。

その代わり、(株価上昇による)株の売却益や利益の配当が期待できるしくみです。

また、投資信託は投資先の銘柄選定をはじめとする各種運用をプロにおまかせする金融商品となっています(主な投資対象を株式以外に設定している商品もあります)。

いっぽう、FXは外国為替市場から利益を得るための金融商品です。

通貨の相対的な価値の上がり下がりを予想することで為替差益を狙えるほか、各国間の金利差から生じるスワップポイントも期待できます。

2023年現在のFX取引実績口座数は5年前と比較して約3万6000口座増加

金融先物取引業協会の統計データによれば、FX取引実績口座数は5年前(2018年4月~6月)と比較して約3万6000口座増加の80万8074口座です(2023年4月~6月)。

取引金額も約1751兆円増の2764兆7893億円となっています。

FXは5年前と比べ、よりポピュラーになったといえるでしょう。

ただし、FXはレバレッジを利用することで借金を負う可能性もある金融商品です(レバレッジを利用することで、自己資金の最大25倍の金額を取引できるため)。

運用の際には事前に十分な知識を得てからスタートするとよいでしょう。

参考資料

久保田 雅大