新NISAの積立投資「初心者は選ばないほうがいい投資信託」ポイント3つ

新NISAで株の個別銘柄に投資する場合は、課税口座での投資と同様に、企業研究や業界の研究を行い、今後の企業の先行きを予測して銘柄を選びます。

一方、新NISAのつみたて投資枠を使って、ファンドに積立投資を行う場合は、予め金融庁が厳選した一定条件を満たす商品の中から、自分で投資商品を選ぶことになります。

ファンドの中でも、あまり選ばないほうがいい投資商品の特徴を確認していきましょう。

出所:LIMO編集部作成

<初心者が選ばないほうがいい商品のポイント3つ>

  • 手数料(信託報酬)が高い商品
  • 純資産が低く、ネット証券の投資ランキング等で下位の商品
  • アクティブ運用の商品

まずは、手数料が高い商品です。

ファンドは、持ち続けているだけで、毎月信託報酬と呼ばれる手数料を支払わなければなりません。信託報酬は商品によって異なり、手数料が高い商品を選んでしまうと、毎月かかるコストが高くなってしまいます。

金融庁「つみたてNISA対象商品の分類(2023年9月15日時点)」によれば、投資対象を国内とするインデックスファンドの平均的な信託報酬は0.242%、国内外では0.30%でした。

また、運用が始まってまだ年月が浅い商品や、そのために純資産が低い商品、ネット証券のランキング等で下位にくるなど、あまり人気のない商品は初心者のかたは買うのを控えた方が良いでしょう。

多くの投資家から注目を集めている人気商品の方が、流動性も高く、商品に関する情報も多いので、より安心して投資を続けることができるでしょう。

また、ベンチマークとなるような経済指標よりも高い利益を目指して積極的な運用を行う投資信託をアクティブファンドといいます。

アクティブファンドはたしかに利益が大きくなる可能性はありますが、その分ハイリスクで、損をする可能性も高くなります。

また、アクティブ運用の商品は経済指標と同じような値動きを目指すインデックスファンドに比べ、手数料が高いという特徴があります。

初心者の方はあえてアクティブ運用の商品に投資をしなくても、インデックスファンドでの長期投資で良いとも考えられるでしょう。

新NISAの積立投資「初心者が選びやすい投資信託」とは?

初心者の方が新NISAのつみたて投資枠を利用する場合は、低コストで商品の仕組みが分かりやすいインデックスファンドでの積立投資がはじめやすいでしょう。

インデックスファンドの中でも、手数料が安く、アメリカ、日本など先進国の経済指標に投資をしている商品や、純資産が高く、ネット証券のランキングなどで上位のファンドを選ぶと良いでしょう。

金融庁によると、つみたてNISAのインデックスファンドは209本あり(2023年9月15日時点)、たとえば以下のような種類があります。

  • eMAXISSlim米国株式(S&P500)(三菱UFJ国際投信株式会社):アメリカの主要な株式に分散投資
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天投信投資顧問):アメリカの主要な株式に分散投資
  • eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)(三菱UFJ国際投信株式会社):全世界株式に分散投資
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(三菱UFJ国際投信株式会社):先進国株式に分散投資
  • たわらノーロード 先進国株式(アセットマネジメントOne株式会社):アメリカや欧州など先進国の株式へ分散投資
  • eMAXIS Slim 新興国株式インデックス(三菱UFJ国際投信株式会社):新興国株式に分散投資

積立投資は長期間運用するものですから、ご自身で「長期間保有できる」と納得のいく商品選びが重要です。

新NISAのまとめ

新NISAのスタートに合わせて、初めて投資を始めようと考えている人もいるかもしれません。

商品選びは難しいですが、いくつかのポイントさえ抑えれば、投資初心者の方でも、安心して投資を始めることができるでしょう。

今回ご紹介した内容を参考にしながら、しっかりと情報収集を重ねリスクを把握し、自分がストレスなく投資ができる商品を選んでみてはいかがでしょうか。

参考資料

下中英恵FP事務所 下中 英恵