日経平均はソフトバンクなどが買われ高値圏へ

2023年9月15日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比364円99銭高の3万3533円09銭となりました。終値ベースで3万3500円を超えるのは7月上旬以来、約2カ月半ぶりです。

ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームが14日、米証券取引所ナスダックに上場しました。アームの初値は56.10ドル、終値は63.59ドルで、14日終値に基づく時価総額は652億ドル(約9兆6100億円)という大型IPO(新規株式公開)となりました。これを好感してソフトバンクグループが大幅高となり、日経平均を押し上げました。足元での円安・ドル高基調から自動車、機械など輸出関連銘柄も買われました。

今週、日経平均はどのような値動きになるでしょうか。週初18日は敬老の日の祝日のため休業で、今週の営業日は4日間となります。18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前週末比6ドル06セント高の3万4624ドル30セントで終えています。原油高によるインフレ懸念から上値の重い展開となりました。15日に全米自動車労組(UAW)のストライキが始まり、自動車大手3社の一部の工場で稼働停止となったことも投資家に不安視されました。日経平均も下げ圧力がかかる可能性があります。ただし下値も限定的でしょう。

米連邦準備理事会(FRB)は19~20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開きます。毎度のことながら、金融引き締めが長引くのかどうかが投資家の大きな関心事になります。今回は政策金利を据え置くと見られていますが、想定外の結果になった場合には失望売りになる可能性があり、注意が必要です。また、仮に据え置きとなった場合でも、パウエルFRB議長の記者会見の内容によっては、金融引き締めが継続すると捉えられることも考えられます。そういったことから、結果が分かるまでは相場も様子見傾向になることも考えられます。

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バブル崩壊後の最高値に迫る

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週はローソク足の実体が25日移動平均線、75日移動平均線をともに突破しましたが、週末に「往って来い」のような形で下落してしまっていました。先週はここから挽回できるかどうかがポイントでした。

実際には、週初はローソク足が75日線を割り込んだものの、その後は75日線で反発すると陽線が続きました。週末には直近の戻り高値である8月1日の高値(3万3488円)も超えました。

今後の展開はどうなるでしょうか。チャートの形は悪くありません。75日線、25日線をともに維持できていることに加えて、両移動平均がともに上向きになっています。頼もしいのは、先週の上昇で8月1日の高値(3万3488円)を超え、下降トレンドラインのチャネルの上限を突破したことです。短期的な下降トレンドが崩れました。この後さらに6月19日の高値(3万3772円)を超えてくるようであれば、さらに目線を上に持つことができます。

ちなみに、終値ベースでは今年7月3日につけた3万3753円がバブル崩壊後最高値です。最高値更新も視野に入ってきました。

逆に高値圏にあることから利益確定売りも出やすいところです。75日線や25日線あたりの3万2000円あたりまで若干の調整があるかもしれませ。ただし、直近の押し安値である8月18日の安値(3万1275円)あたりまでは、押し目買い狙いでもいいでしょう。

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参考資料

下原 一晃