ジャクソンホール会議の講演後、米株は上昇

2023年8月25日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比662円93銭安の3万1624円28銭となりました。前日の米株式市場で主要3指数がそろって大幅に下落したことから、東京市場でも幅広い銘柄が売られました。日経平均は前日までの4日間で800円あまり上昇していたことから、利益確定売りも出やすい局面でした。25日の下げ幅は今年2番目の大きさでしたが、ひとまず、前日までの4日間の上昇の範囲内に収まりました。

今週、日経平均はどのような値動きになるでしょうか。25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比247ドル48セント高の3万4346ドル90セントで終えています。同日には、米国で経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が行われておりその会場でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演を行いました。発言はタカ派で、インフレが高水準にとどまっていることから、追加利上げもあることが示唆されました。引き締め継続ということになります。

通常、要人のタカ派発言があった場合、相場では売りが優勢となります。同日も一時は売られる銘柄が多かったものの、その後は買いに転じ結局、大きく上昇して引けました。すでに織り込み済みという見方とともに、逆に近い将来に利上げが終わると見る投資家も多かったようです。日本株も週初から底堅い展開になることが期待されます。

気になるのは中国の動向です。東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を巡り、中国で反発が広がっています。中国当局は日本産水産物について輸入を全面的に停止しました。また、水産物以外でも、日本製品のボイコットも起きています。SNSでは資生堂、花王、コーセーなど化粧品をはじめ、数十の企業のブランド名が挙げられ不買を促す投稿も目立ちます。長期化すれば中国に進出する日本企業への経営に影響を与えかねません。

今週末9月1日には8月の米雇用統計が発表されます。利上げは終わりが見えたとの観測が広がりつつあるものの、結果しだいでは依然として長期化と判断する投資家も出てきそうです。そのため、今週は様子見傾向になることも想定されます。

75日線を割り込み上値の重い展開

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。この1カ月ほど、25日線に上値を抑えられるような動きが続いていました。しかし、前週にはさらに75日線も割り込んでしまいました。先週はこれを回復できるかどうかがポイントでした。

実際には、前週末の安値である8月18日の安値(3万1275円)付近からじりじりと戻り、一時は75日線を回復し、25日線奪回もうかがいました。しかし、その後は窓をあけて下落すると再度75日線も割ってしまいました。

今後の展開はどうなるでしょうか。チャートの形はよくありません。25日線が下降し、75日線に迫っており、デッドクロスが形成されそうです。目線を下に持たざるを得ません。ここから反発があるとすれば、まずは75日線、次に25日線の回復が条件になります。判断が難しければ、これらを超えてから出動しても遅くはないでしょう。

その場合の上値メドは、心理的節目となる3万2000円や3万3000円、8月1日の高値(3万3488円)などになります。3万2000円付近に75日線、25日線が収れんしており、抜けるのにパワーがかかるかもしれませんが、抜けてしまえば下値サポートラインになります。まずは今週、このあたりを回復できるかどうか注目したいところです。

参考資料

下原 一晃