日経平均は米株式相場下落などを受けて3日続落

2023年8月18日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比175円24銭安の3万1450円76銭となりました。3日続落で、6月上旬以来2カ月半ぶりの安値圏となっています。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均、ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数の主要3指標がともに下落したことから東京市場でも幅広い銘柄が売られました。

中国不動産大手の中国恒大集団が17日、ニューヨークで連邦破産法第15条の適用を申請したことから、投資家の間に不安感が広がりました。米金融引き締めが長期化すると見る投資家も多く、売られる展開となりました。

今週、日経平均はどのような値動きになるでしょうか。18日の米株式市場でダウ平均は4営業日ぶりに反発し、前日比25ドル83セント高の3万4500ドル66セントで終えています。ただし、週間で約780ドル下げたのに比べると上げ幅はわずかでした。ザラ場では一時、200ドル以上下げる場面もありました。日本株も週初から上値の重い展開になりそうです。

さらに懸念されるのは中国関連銘柄の動向です。中国恒大は数年前から経営が悪化しているとは伝えられていたものの、影響が大きいことから中国政府が何らかの支援を行うのではないかという楽観的な見方もありました。実際に破産を申請したことから、不動産だけでなく、中国景気の先行き不安感も広がっています。

17日には安川電機、ファナック、ダイキンなど、中国関連銘柄のほか、中国での人気の高い資生堂、ピジョンなどの銘柄も売られました。また、J・フロント、三越伊勢丹など、インバウンド銘柄も下げました。風評での売買も含めて、今後の動きに注意が必要です。

25日にはジャクソンホール会議で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演する予定です。利上げが長期化するのかどうか、発言の内容が注目されます。そのために、今週は様子見の展開になることも想定されます。

75日線を割り込み下値圧力が強い

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。この1カ月ほど、25日線に上値を抑えられるような動きが続いていました。前週末に大きな陽線となり25日線回復をうかがうような動きになっていました。

ただ、先週は週初にザラ場では25日線を超える場面もありましたが、引けにかけては大きな陰線となり、前週の上昇分を打ち消す「往って来い」になってしまいました。その後も、窓を開けて下落するような動きが続きました。週末には若干反発も見られましたが、週単位では大きく下げました。

今後の展開はどうなるでしょうか。残念ながらチャートの形はよくありません。大きなポイントとしては、直近の押し安値である7月12日の安値(3万1791円)を割ってしまったことです。これにより、中期的にも、6月19日の高値(3万3772円)を始点とする下降トレンドが再度確認されることになりました。この下降トレンドを解消するためには、直近の戻り高値である8月1日の高値(3万3488円)を超える必要がありますが、若干距離があります。

さらに懸念されるのは、先週の下落でローソク足の実体が75日線も割ってしまったことです。また、25日線が下降し75日線に近づいており、デッドクロスが形成されそうになっています。このようなチャートの形から、直近では目線を下に持たざるを得ません。

ここから回復するにはまずは75日線を奪回したいところです。逆に、ここからの下値メドとしては、心理的節目となる3万1000円、3万円などとなります。

参考資料

下原 一晃