企業の業績動向や社会情勢の変化などによって、株価が大きく変動することがあります。

株価の動向は株式投資のリターンに大きな影響を与えるため、注意を払う必要があるでしょう。

株式投資のリターンを考える際は、配当金や株主優待だけではなく、株価変動も含めてトータルで考えることが大切です。

今回はオリックス(8591)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。

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1. オリックスの配当金のリターンはいくらか

オリックスの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の中間配当と2023年3月期の期末配当」の計2回を受け取ることができます。

出所:オリックス株式会社「2023年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)」

なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。

今回の検証では、以下のような想定となります。

  • 株式の取得日:2022年5月30日 
  • 株式の取得価格:2462円(取得日の終値)
  • 2023年3月期・中間配当:42.8円 
  • 2023年3月期・期末配当:42.8円
  • 100株ベースの配当金のリターン:8560円

それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。

2. オリックスの株主優待のリターンはいくらか

オリックスは決算期(3月31日)現在、100株以上保有する方に向けてふるさと優待および株主カードを提供しています。

出所:オリックス株式会社「株主優待について」

出所:オリックス株式会社「株主優待について」

2.1 【オリックスの株主優待】

  • 3月31日時点の株主:「ふるさと優待」カタログならびに株主カード
  • 9月30日時点の新規株主:株主カード

ふるさと優待は、カタログの中から好きな商品を1点選ぶことができます。また、株主カードはオリックスグループが提供する各種サービスを割引価格で利用でき、有効期限内であれば何度でも利用可能です。

ふるさと優待で選べる商品や株主カードで利用できるサービスは多種多様なため、経済価値の算定は困難とみなし、優待のリターンは0円とします。

3. オリックスの株式投資のトータル・リターンはいくらか

以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。

次に、株価変動によるリターンを計算します。

  • 株式の取得日:2022年5月30日
  • 株式の取得価格:2462円(取得日の終値)
  • 取得から1年後の日付:2023年5月30日
  • 1年後の株価の終値:2390円
  • 100株ベースの株価変動によるリターン:▲7200円

そして最後に、トータル・リターンを計算します。

  • 配当金のリターン:8560円
  • 株主優待のリターン:0円
  • 株価変動によるリターン:▲7200円
  • トータル・リターン(金額ベース):+1360円
  • トータル・リターン(%ベース):+0.6%

トータル・リターンは金額ベースで+1360円でした。

4. オリックスの配当推移を確認

オリックスの株式の年間リターンは+0.6%でした。

最後にオリックスの配当金の推移を確認しましょう。

出所:オリックス株式会社「配当方針・配当状況」

今回確認したように、「配当金」「株主優待」「株価変動」に分けて考えると、より具体的なリターンを把握しやすくなります。

株式投資をする際は、配当金や株主優待の内容だけではなく、株価動向もしっかり確認しましょう。

参考資料

加藤 聖人