3.「老後資金」いつから、どう準備する?

「還暦60代前後の貯蓄事情」として、50歳代から70歳代世帯の貯蓄額の変遷を確認してきました。

住宅ローンや教育費が一段落ついた時点で貯蓄ペースをあげて「老後の資金」の準備をすればいいだろう、と考える家庭は多いでしょう。

しかし、「体力」が落ちている企業が多いなか、退職金制度を確定給付年金から確定拠出年金に切り替えるケースも増えています。

そもそも定年退職まで健康で働き続けることができるのか、教育費は予算内でおさまるのか、そして夫婦で100歳まで生きたら一体どのくらいお金がかかるのか、など課題は山積みです。

働き盛りの若いころから、「老後の資金」を、預貯金以外の引き出しにくい方法で準備し始めることをおすすめします。その一つとして浮かぶのが資産運用、その中でも「積立投資」です。

「投資なんて一部のお金持ちがするものでは?」とイメージされる人も多いでしょう。しかし、いまは少額からの投資を後押しする国の制度も整いつつあります。「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」などがまさにそれ。

資産運用は、運用期間を長くとればとるほど、リスクが軽減し、リターンが安定する傾向があります。若いうちにスタートすることで、複利のメリットを最大限に活かし、効率よくお金を育てていくことも可能です。

今の年齢や、現在の金融資産によって、最適な金融商品や運用スタイルは人それぞれ異なりますので。まずは情報収集を始めてみてください。

参考資料

足立 祐一