そもそも日本電気制御機器工業会とは
日本電気制御機器工業会(以下、NECA)は日本のセンサー、スイッチ、制御機器などを手掛ける電気制御機器メーカーが会員企業の一般社団法人です。
NECAは、会員企業以外にも毎月月末に会員企業合計の出荷データを公表しており、FA業界の足元の動向を探るために役立つデータとなっています。
ちなみに、会員企業はオムロン(6645)、IDEC(6652)、パナソニック(6752)、三菱電機(6503)、富士通コンポーネント(6719)、不二電機工業(6654)、富士電機(6504)と仏シュナイダーエレクトリックの合弁会社である富士電機機器制御(非上場)などです。
余談ですが、制御機器大手のキーエンス(6861)は会員にはなっていません。会員にならない理由は不明ですが、業界団体には入らず群れないことがキーエンスの超高収益経営の一因なのかもしれません。
前年割れが続くが国内に少し明るさが
2016年3月28日にNECAが公表した2月の出荷総額は508億円(前月比▲1%減、前年同月比▲5%減)でした。前月比は2か月連続のマイナス、前年同期比では11か月連続でマイナスとなっています。
また、2015年4月から2016年2月までの11か月累計出荷総額は5,870億円となり、前年同期比で▲5%減です。3月が急回復しない限り2016年3月期は前年割れの可能性が高いと見られます。
IoT、インダストリー4.0(第4次産業革命)などのキーワードで語られることが多くなった制御機器業界ですが、中国の景気減速やスマホ景気の一巡などの影響を受け、足元の業界動向は軟調であることが読み取れます。
今後、注目していきたいのは全体の約6割を占める国内の動向です。2月の国内出荷は、前年同期比では11か月連続のマイナスですが、前月比では2か月ぶりにプラスとなっていました。
2016年3月23日に公表された内閣府の月例経済報告では、設備投資については「おおむね横ばい」から「持ち直しの動きがみられる」に引き上げられています。また、今後の見通しについても、「企業収益の改善等を背景に、増加していくことが期待される」としています。
実際、業界関係者にヒアリングしても、老朽化や人手不足への対応から国内の設備投資への潜在需要は大きいという声をしばしば耳にします。2016年3月期はNECAにとっては厳しい1年でしたが、2017年3月期は、国内を牽引役とする回復に期待したいと思います。
【2016年3月30日 投信1編集部】
■参考記事■
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LIMO編集部